「お兄さん、どうしてお兄さんの髪の毛は赤いの?」
な〜んて事を息子が実習先の病院で小さな子供から尋ねられたとしたら、


「昔々、赤ヒゲっていうスゲェお医者さんがいてな、
オレは憧れているんだけどさ、
オレ自身まだまだお子ちゃまだからヒゲが生えてないだろ?
せめて髪の毛だけでも赤くして近付きたいと思ってるワケよ。」ってな、
ソレぐらいの回答が出来たら息子も一人前じゃないかと僕は勝手に考えていた。


だが、息子がそんな質問を子供たちから受ける事は無かった。
なぜなら、息子は実習開始に合わせて髪を黒く戻したのである。


赤毛とか金髪とかオレンジとかグリーンとか、
カラフルだった人たちは全員が黒髪にリセットされて実習へ向かった。


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よく、夜中のコンビニの駐車場とかに集まっている、
比較的時間に余裕のある若者たちがいるでしょ?
そんな若者たちと間違えられないように黒髪に戻したのなら情けねえ・・・。


否、情けなくもねえ・・・。


人間は見た目じゃないんだ。
中身が大事なんだよ・・・。


金髪Aくんは不良イグレシアス。
金髪Bくんは医学生
同じ金髪のAくんとBくんを並べてみれば見分けられそうなモンだがな。


否、同じような背格好で同じような服を着てたら分からないか・・・。


ちなみに、
金髪Aくんには彼女がいるが、金髪Bくんには彼女はいない。


若い時期に限っての事なのだが、モテるのは不良イグレシアスだ。
それに憧れて髪を染めているのならBくんは情けねえ・・・。


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息子よ、
アイデンティティ(舌を噛みそうだ)無しで髪を染めたり戻したりするのはヤメろ。


と、父ちゃんは心の中で言う・・・。