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内緒で、ホワイトデ〜のプレゼントを買いに出掛けた。
今年、銀婚式を迎える僕ら夫婦なのだけれど、
よく考えてみると、こうしてあらたまってプレゼントを買うのは初めてだ。
初めてなの、やさしくしてネだ。
連日、僕の仕事でも、ホワイトデーのプレゼントの注文が続いた。
承ったギフトメッセージをカードに印刷しながら僕は、
僕もカミさんと娘に何かを贈らなくてはなるまいと考えたのだ。
それにしても数々のギフトメッセージの文言に触れ、
本当にね、男ってのは純粋で優しい生き物なのだと感じたよ。
何度も何度も心を打たれた・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
じゃじゃん、
化粧品屋さんだよ、化粧品屋さん・・・、
化粧品屋さんに僕はいるよ・・・。
化粧品屋さんに来たのは初めてだよ、
初めてなの、やさしくしてネだ。
化粧品屋さんのお姉さんは、みんなお化粧をしているよ。
化粧品屋さんのお姉さんは、みんな綺麗だよ。
綺麗なお姉さんが、僕は好きだよ。
でも、綺麗なお姉さんがたくさんいると、
僕は緊張しちゃうのよ・・・。
僕のじゃないです!
ホワイトデーのプレゼントです!って、
周囲の人々に聞こえるように大きな声で挨拶をした。
耳の裏まで熱いよ、恥ずかしいよ・・・。
でも、勇気を振り絞って買ったよ・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
買えたよ。
走るようにお店から去ったよ。
ゴディバの御礼は高くつくよ。