カミさんが勤める病院の敷地内の、
いちばん陽あたりの良い場所にある数本の極太ソメイヨシノたちは、
すっかり葉が茂りつつも しっかり花が残っている。
青い空と、潤い萌える新緑と、ピンクの花のコラボレ〜ションが綺麗だ。
人の手によって創り出されたソメイヨシノの中にある野生を感じて、
なんだかとても感動をした。


感動をして、ジ〜ンとした。
あと何回僕は、桜の季節を過ごす事が出来るのだろうかと考えちゃうね。
一日一日を心して、大切に生きなくちゃなるまいよ。


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「 涙もろくなった。 」と言った息子だが、
それは、たぶん、息子の中にある僕だ。
息子の中にある僕のDNAベイスタ〜ズだ。
葉桜を見ても泣いちゃうような男になるのは時間の問題だ。


将来、僕がこの世から去った後も、
葉桜を見て泣く感性は息子の中に残るって事だ。


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子供の頃、僕は、
フランダースの犬 」の最終回を見て、
一週間涙が止まらなくなったレベルの男だ。
あの理不尽な物語には、48歳になった今でも腹がタツノリだ。


ネロとパトラッシュが元気なうちによう、
ルーベンスの絵を無料で見せてあげてもよかったじゃないか!と、僕は言いたい。
絵なんかよう、
いくら見たって減るモンじゃないだろうが!って、思うんだ。


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小用を足して、しっかりとマグナムをプルプル振ってからパンツにしまう。
けれど時折、ジワッとなりがちなりけり48歳。
緩くなったのは涙腺だけじゃないって事なのだが、
これは感性とは違う話である。


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葉桜。
その美しさは、本来の桜の美しさである。