50歳同窓会喜譚4

シンジと実際に会うのは、10年ぶりなのであった。
小平での研修があった際に東久留米の僕んちに泊まってくれて以来の再会だ。
わっはっは!嬉しいな〜っ、
年賀状は欠かさず続けているのでお互い近況の報告は無いが、
会ってガバチョと抱擁し合うのは、嬉しさレベルが格段に違う・・・。


高校時代、
身長と体重と学業の成績が全く同じであった僕らなのだが、
シンジは超ハードな正義の仕事で疾走し続けていて、
僕の場合はユルいロックな仕事でのんびり生きているでしょ?
さぞかし体形は異なってしまっているのではないかと想像していたのだけれど、
こうして強く強く抱きしめあってみるとだな、あまり変化は御座らんな。
きちんとシンジもお腹はポッチャリ出ているぞ・・・。


さて、
じゃあ、高校時代のように洋服を取り換えてみますか?
と思ったけれど、
僕の洋服はカミさんが選んでくれた物だし、
シンジの洋服も奥さんが選んで着せて送り出してくれた物だろうし、
それはヤメておく事にした。


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フラれ、初恋が実らなかった時期も僕らは同じであった。
同窓会でシンジもまた、初恋の人としっかり話して ありがとう を伝えていた。


あのフラれ小僧だった当時、
僕らは共に泣き、共に悩み、答えを懸命に探していたな。


そして得た結論が、
「 フラれちゃったのだが、好きな人なのだからシアワセになってほしいな。 」だったのだ。


シンジの初恋の人も現在、とてもシアワセであるのだそうだ。
そう嬉しそうに話してくれるシンジの昔と変わらぬ心が僕は嬉しかった。


まあ飲め、
僕はシンジのグラスにビールを注ぐ。
僕はオレンジジュースだけれど、とても心地よく酔えた。


「 お互いな、嫁はん 大事にしよな。 」
まったくな、その通りだな・・・。


シンジの奥さんも、僕のカミさんも、
ナイチンゲール精神だけでこんな僕らと一緒にいてくれるのかもよ・・・。
だ。


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50歳・・・。


生きてきた時間よりも、
生きていく時間は短い・・・。


だからこれからも一日を大切に生きて、
そして世界中すべての人がシアワセでありますようにと願い続けよう・・・。


良い年齢の重ね方をした同級生たちの顔を見ながら、
あらためて心からそう思えた夜。
そんな50歳同窓会であった・・・。


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実行委員会の仲間たち、
本当に本当に本当にありがとう!