通っている歯医者さんは、M先輩の所。
地元の、一番気心の知れた兄貴分に歯を診てもらえるのはありがたい。
のだが、


僕が診察椅子で寝そべり、
脇にM先輩が座る時の会話を、だな、
衛生士の女の子たちが耳を傍立てて、
クスクス笑って聞いている状況は結構恥ずかしい。
(M先輩はソレに気付いていない。)


M先輩は治療用のゴム手袋を外して、
僕の頬をナデナデと撫で、
「 お肌の手入れをしていないからガサガサだぞ。 」と言い、
そして自分のマスクを外して、
「 オレの頬を触ってみな。 」と言った。
どれどれ、と、
五十路のオジサンが五十路半ばのオジサンの頬を触るのは嫌だったけれど触ったところ、
なるほど確かにツルツルスベスベしていた。


「 アオカンが肌に良い。 」との事だが、
おいおい、女の子たちが聞いているのにそんな言葉を使っちゃダメでしょうがと思ったが、
ニベアの、普通の青い缶でも充分なんだよ、肌には。 」だったのでホッとした。


なんだか現在M先輩は自身の肌の手入れにハマっていて、
いろいろな化粧水を試して悦に入ってる模様だ。


早く歯の治療をしてほしい・・・。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


帰途、
ドラッグストアに寄り、
僕も早速ニベアの青缶を買った。


顔に塗ろう。
塗ってスベスベのツルツルになり、
次回の治療の際に自慢してやろうと決めた。


どうせならオジサンの肌もスベスベが良い。


ニベアクリ〜ム ニ・ベ・ア ♪


青缶、
音読しちゃダメよ。