目覚めると既に外は明るくなっていた。
明けましておめでとうございますの明けましては今年、
なんだか普通の日の朝と同じように迎えてしまった。


不覚だ。
紅白のフィナーレの賑やかさから一転した ゆく年くる年 の静けさとのギャップを味わうこともなく、
リアルな除夜の鐘のゴ〜ン感を楽しめもせず、
ただ普通に寝ちゃって朝を迎えてしまったというのは不覚であった。
しかも古いアディダスのジャージ姿なんだぞ、よりによって・・・。
深く眠ってしまったのは不覚であった。
不覚だけに深く、なんちゃってね。


この原因は、
一番楽しみにしていた歌手の人が紅白前半に出てしまったからだ。
それで気が抜けて寝てしまったからだ。
まあいいや、こんな年越しもある。
50代になると徹夜で年越しなんて出来ないんだな。


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ケーキ屋さんに注文していたケーキを受け取りにカミさんと出掛けた。
元旦生まれの息子は今日で24歳になった。
ケーキは、息子のバースデーケーキだ。
チョコレートの文字で息子の名前(平仮名)と、
おたんじょうびおめでとう を入れてもらった物だ。


ケーキ屋さんの店内に飾られた黒板に可愛らしい文字で、
「 一月一日生まれのおともだち 」と書かれており、
そのリストの中に息子の名前があるのでカミさんと初笑いをした。


かなりの人数の おともだち の名前が書かれているのだが、
その中で息子は間違いなく一番年上の おともだち だろうと思う。


ケーキはオトナ4人で食べるのに丁度よい大きさだ。
明けましてめでたしめでたしだ。


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夕刻から家族揃って日本橋まで出掛け、
帰途、いつもよりも豪華な外食をした。
普通の人からすれば普通の外食だろうけれど、
こんな生き方をしてきた僕のようなオヤジにしてみれば豪華な食事だ。


贅沢な年末年始だ、シアワセだ。
贅沢で贅沢でありがたくてありがたくて泣きそうだ。


ささやかなこの人生の中に、
こんな時間が過ごせる事のシアワセをシアワセと呼ばず何と呼ぶ?
無いでしょうが、シアワセって言葉以外は・・・。


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夜、帰宅後に件のケーキを食べた。


そして今年の干支は犬なので、
家族全員でタロウ(ジャンボミニチュアダックス)を撫でまくった。
無理やり押さえつけて撫でまくった。


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今年もまた小さなシアワセを一日ひとつ探して、
そして積み重ねるように生きたいものだ・・・。