息子は初の一人暮らしとなる。
これからの1年間は授業は無く、
各地にある分院を1か月毎に移りながらひたすら実習の日々を過ごすのだそうだ。


自炊だよ、自炊。
たぶん大丈夫だろう、便利な世の中だ。
洗濯も自分だよ、他に選択の余地はない。
白衣を色付きの服と一緒に洗っちゃダメよ。
大丈夫よ大丈夫、便利な世の中だ。
世の中は便利な方が良い。
炊飯器は無くても、サトウのごはんがある。
炊飯器を買えばこちらから宅急便で米を送れる。


家から近い病院なら通えるのだが、
これからの2か月はこうして一人暮らしだ。
身の回りの品物を買い揃えて、本人は嬉しそうに出発した。


父親である僕はそれも一つの成長のためのステップだと思えるのだが、
母親であるカミさんは結構寂しそうだ・・・。
致し方あるまいよ、
人間はこうして誰もがいつかは巣立つものだ・・・。


さだまさしの「 案山子 」の歌詞が沁みる・・・。


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寮なのだが、
寮といっても院内にある綺麗なワンルームだ。
僕が高校時代を過ごした寮とは違う・・・。
人生いろいろ、寮もいろいろ・・・。


行く先々で素晴らしい出逢いを重ねてほしい。


世の役に立つ者となれ。


父ちゃんはそれだけを願う。