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それにしても病気って嫌なものだ。
こうして体調を崩して休んでいる時には本当にそれを強く思う。
普段の、何気なく過ごす、当たり前の日々の有難さが身に染みる・・・。
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学生医。
5年生後半の息子は現在、そんな立場なのだそうだ。
指導医の下、患者さんの了承を得て実際に診療にあたる。
春先、試験試験と必死になっていたのはそのためだ。
病む人の傍にいて共に戦う人となっておくれよ、と、
現在病んでいる父ちゃんは願う・・・。
このノロは、息子がチビ患からもらってきたんじゃないかと疑いつつ。
まあいいや、許そう・・・。
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息子は生後10か月で人生初の入院をした。
重い小児喘息の発作であった。
付き添いの親が帰宅しなくてはならない時間になると、
ベビーベッドの柵につかまり立ちをして、
その柵の隙間から小さな手を伸ばして、
帰らないで!と泣き叫んでいた・・・。
あの泣き叫ぶ声は、今でも僕の胸の中に刺さったままだ。
病気って、辛いものだな。
病気って、嫌なものだな。
四半世紀が経ち、
あの泣き叫んでいた小児喘息の赤ん坊が白衣を着て病棟にいるよ。
人生って不思議なものだな・・・。
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そして僕はノロの日々を脱した。