とんぼパート2

視聴率の低迷が騒がれた今年のプロ野球中継。
だが我々親子は巨人戦を中心によく見た。今の時代はテレビも試合終了まで見ることができるのでとてもありがたい。
子供の頃はもっぱらテレビの中継が終わるとラジオだった。布団の中で親父を真ん中に、弟と3人でわくわくしながら聞いていた。末次選手の逆転サヨナラ満塁HRで大騒ぎして喜んだり、巨人が負けてがっかりしながらそのまま寝てしまったり、おもえばプロ野球は今の時代よりも身近だったのかもしれない。
今では笑い話だが、僕の親父はよくゲンを担いでいた。ラジオの野球中継はTBSばかり聞いていた。当時、文化放送の方が我が家では電波の状態が良かったのだが「文化放送ジャイアンツナイター」と言うタイトルが「ジャイアンツ泣いた」と聞こえるから嫌だと言っていた。現在、僕の親父は巨人ファンを卒業して?コヤドラファンになっている。すっかり好々爺になってしまった。
話を僕が息子と見ているテレビの野球中継に戻そう。
東京ドームの試合終了後の巨人軍ベンチの様子が流れる。清原選手がとてもいい。
帽子をとってグラウンドに向かって深く一礼をする。清々しい。とても。
テレビの前で、きっと多くの野球小僧が感銘を受けているだろう。
そうだね、清原選手も野球の神様に挨拶しているんだね。東京ドームにも、小学校の校庭にも、野球小僧がいる所には野球の神様が来てくれているんだね。
清原選手は巨人軍に残る。一人でも多くの野球が好きな子供たちに自分の姿を見せるために、あえて残留を選んでくれたのだと、僕は思っている。