リトルリーガーズエルボー

気持ちを落ち着かせて、冷静に、書きたい。
少し前の練習から帰宅後、息子は肘が痛いと言っていた。湿布を貼りしばらく様子を見ていたが良くなる気配なし。
どうせ医者に診せても休めと言われるだけだよ。が、多くの意見だった。
僕は今、憤っている。自分自身に、だ。
嫌な予感がしていた。スポーツ専門の先生を紹介してもらい、病院へ連れて行った。結果として診せてよかった。今、診てもらわなければたいへんな事になっていた。
俗称、リトルリーガーズエルボー。そんな診断が下された。
投手ではない息子にも。
近年、野球人気の復活に伴い急増していると聞く。
原因についてもいろいろと指摘された。
休み明けの、この寒い時期にファーストからサードへのコンバートもそのひとつだった。
「いいですか。ファーストとサードでは投げ方も負荷のかかる位置も違うんですよ。」
父親である僕が傍にいながらこの結果はなんだ!
右手にギプスをつけた息子。痛い思いをするのも息子。ひたすら大人を信じて大好きな野球を歯をくいしばりがんばった結果がこの姿か!
ハヤトの投げ方が変だと言っていた?だったらなぜ?その時に指導してくれなかったんだ!
違う!違う。僕もそこにいたんだ。悪いのは僕だ。気付かなかったのは僕だ。
冷静になろう。だが、冷静になろうと思うと涙が出てくる。
三週間はギプス。
その後あらためて正しい投球フォームを教えてもらいながらのリハビリが始まる。
息子にはきちんと話した。あせらず、くさらず、じっくりと治そう。ダメな父ちゃんだが一緒にがんばろうなと。もう一度、一年生の頃の気持ちを思い出して最初からやり直そうよと。
「ハヤトはグラウンドへ入る前、本当に深ぶかとお辞儀をするんだよ。」と言われたことがある。
僕との約束を守っているんだ。グラウンドには野球の神様がいる。ケガをしないように、楽しく野球が出来るように、お願いしような、と。
ずっとずっと僕を信じて、約束を守っていたんだ。
今度は僕が約束を守る番だ。絶対に治そう。二人三脚で行こう。大人になっても大好きな野球をずっと続けられますように。

そうだね、野球にタラ、レバは禁句だ。これからどうやってベストを尽くすかだ。
僕はコーチではない・・・・。君の親父だ。
絶対に助ける!君から野球を奪わせはしない。
心配しなさんな。


リトルリーガーズエルボー(野球肘)、痛める箇所は3通りあるそうです。
今回、息子は内側でした。とりあえずギプス固定で済みましたが、もしこれが外側の、骨に掛かる腱だったら即、手術だったそうです。
子供は我慢してなかなか言えず、大人が気付くのが遅れることが多いようです。重たい硬式ボールを使うリトルリーグでは、この野球肘に対する予防やケアが進んでいるようですが、軟式の少年野球ではまだ対応が遅れているのが現状のようです。
本当に今回は悲しい思いをさせてしまいました。
各チームの監督、コーチのみなさん、どうか大切な子供たちのために最善の指導をお願いいたします。

野球の神様から、縁あって預かった野球小僧たちです。