アントニオ命 その2

テレビやラジオのニュースでもそう。新聞でも、JR福知山線脱線事故に関する記事が続く。
亡くなった方々の人柄や背景が、少しずつ紹介され始めている。
これからが本当につらい。死者106人。ただ数字ではなく、一人ひとりにかけがえのない人生があった。
ある日突然奪われた命。断ち切られた夢。


23歳の運転士も104人目の死者として運転席で発見された。
誰も言わないけれど僕は考えている。この青年の親御さんの胸中やいかに・・・・。
せっかく23歳まで育てたのに・・・・・。
泣く事も悲しむことも許されない死なんてないはずだ。


23歳の青年を、そこまで追い詰めたのは誰だ?


1分30秒の遅れって何なのだろう?
取り戻さなければならない時間だったのか?


23歳の青年を追い詰めた人間を、さらに追い詰めていたのは誰だろう?


日本よ。もっとゆっくりと歩もう。ゆったりと生きよう。
今、僕たちすべての日本人が問われている。
そんな気がしてならない。


今日はとても暑い一日だった。
夏を思わせるような陽気だった。


黒目川沿いの遊歩道を、ね。手をつないで散歩している老夫婦を見た。