さようなら、ぼくのエアコン。

「これはスサマジイです!手に負えませんっ!ごめんなさい!」
エアコンクリーニングのお兄ちゃんがサジを投げた。


「やだぁっ!何よ!これ!」エアコン内部を覗き込んだカミさんが叫んだ。


ワシの仕事場のエアコン。
内部が黒と茶色で大変なことになっちゃっていた。カビの巣窟である。
ううっ・・・・ワシの大切なエアコン。
コロナ社製、1991年式。第一アート家電で買った。29、800円(取付工事費別)だった。
ポッチャリ系のワシにとって必需品である。いつでもそばにいてくれた。
大切に使ってきた。手入れだってしていた。フィルターだって小まめに掃除していたのに・・・・。
ううっ、あんまりじゃないか・・・・。
ひどいよ、カビ!
確かにフロントは開かないタイプさ、だからってこの仕打ちはなかろう・・・・・。
ワシはいつまでもこのエアコンと一緒にいたいんだ!


「これ、本当に使っていたんですか?」だと?
毎日使っています!ワシの宝物だ!


「よく病気になりませんでしたねー。」
おう!健康そのものだぜ。
健康サンダルだって履いてるよ。
毎日風呂上りにはね、このエアコンの下で涼みながらアイスを食べていた。


「カビのシャワーを浴びているのと同じです。」


うーん、ワシ。なんともないぞ。何でだろ?
生命力!おそるべきワシ。


カミさんの一存でエアコン買い替えが決定。
ワシの健康には影響なくっても、子供たちの身体が心配だと・・・・。


「僕も買い替えをお薦めします。」とクリーニングのお兄ちゃん・・・・。
ごめんな。仕事にならなかったね。


最短でも工事は7月8日・・・・・。
それまでエアコンなしで仕事をするワシ・・・・・。
そっちの方が健康に影響出ちゃうかも・・・・・。暑いのは苦手だ。


現在庭の片隅で、ビニールに包まれて眠る我がエアコン・・・・。
今日の雨にうたれて濡れている。
泣いているのか?
ワシも泣きたい。

今までどうもありがとう。ご苦労さま。
愛着のある物と別れるのはつらい。