卒業の風景

ひとりひとり名前を呼ばれて、卒業証書を受け取る。
みんな元気よく大きな声でね。とっても感心した。
さよならではない。いつだってみんなに会えるからさ。
涙はいらないよ。泣いちゃだめだよ。笑ってごらん。


子供たちの真っ直ぐな瞳。
胸を張って、足を上げて、ワン・ツー・ワン・ツー。
緊張しとる。うむ。緊張しとる子がいるね。
もしもし、手と足が一緒になっとるよ。リラックス、リラックス・・・。


子供たちの真っ直ぐな瞳。
曇る事無く輝く瞳。
羨ましいぞ!眩しいぞ!


僕は、なんだかブルーハーツの唄が聴きたくなった。


みんな!よくがんばりました。
おめでとう!ありがとう!


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ハヤトのクラスの、ね。
いちばん小さな女の子・・・。
とっても大きな声を出していました。


彼女も、ね。
ずっとずっと闘ってきました。
呼吸器の病気なんかに負けませんでした。
朝、一生懸命歩いて登校する姿を、
僕は何度も見かけました。


喘息で苦しんでいたハヤトはいつも言っていました。
「あいつはスゴイよ。本当によくがんばっているよ。」


小さいけれど。
その子はとても元気な6年生の女の子になっていました。
元気良く歩いている、彼女の真っ直ぐな瞳を見た時・・・、
僕は少しだけ涙が出ました。
ありがとう!元気でいてくれてありがとう!
ありがとう。


僕は、やっぱりブルーハーツの唄が聴きたいと思った。
今日・・・。どうしても、ね。


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おお!ハヤト・・・。
背筋を伸ばしてしっかりと立っている。
生意気に赤いネクタイを締めやがって・・・。
うひょひょ・・・。笑っていいかい?


ずっと僕はジ〜ンとしていた。
小学校の卒業式。


子供たち!
やっぱりみんなは宝ものです。


元気で元気で大きくな〜れ!