エンドレス

日曜日に観戦した試合のこと。
今だに思い出すとジーンとしてしまう。
松戸VS江東の試合だったのだけれど・・・。
この試合に於いての勝者が日本選手権に進むことが出来る、厳しい試合だった。


どの選手も夢を賭けてフィールドを駆けていた。
キラキラと輝いていたんだ。


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最終回、2点のビハインド。
2アウト、ランナーは2塁・・・。
その場面でバッターボックスに向かう選手。


彼は一度素振りをした。
球審に一礼をして打席に立った。
静かに深呼吸をしてバットを構える。


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ファールで粘っていたのだけれど・・・。
最後の一球、彼のバットは空を切った・・・。


ゲームセット。


彼は打席に倒れこんで動けなかった。
小さく背中が震えていた・・・。


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試合後、整列をして両チームが礼。
その時、彼の胸を軽く叩いたのは対戦相手の選手だった。
彼はうなずいた。
少しだけ笑っているように見えた。


どちらも力を出し切ったから・・・。
精一杯のプレーができたから・・・。


きっと、悔いは残していない。


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終わったのではない。
それが野球の素晴らしいところ。
何度敗れ去ったとしてもね、君たちの野球は終わらないのさ。
試合にはゲームセットがあるけれど、
野球の夢は終わらないんだ。


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今度の土曜日、日曜日も・・・。
日本中のあらゆるところで・・・、
彼らはドラマを魅せてくれるだろう・・・。


彼らの夢に想いを馳せつつ
平日を乗り切る親父がひとり・・・。