克て!欽ちゃん!

hayatonooyaji2006-07-19

欽ちゃんが泣いていた。
これで本当にゴールデンゴールズは終わってしまうのだろうか?
せっかくここまで育てたクラブだったのに・・・。
これからたくさんのドラマが始まるはずだったのに・・・。


「野球に失礼をしちゃった・・・。」


多くの報道陣に囲まれながら語っていた欽ちゃん。
その言葉が最も印象に残った。
「野球に失礼をしちゃった・・・。」


僕は思う。
誠実であるが故に痛み続けなければならない人々の事を。
今日もなお、小雨降り続く中で、ゴールデンゴールズの若者たちは練習をしていた。
終われない「夢」がある。
否、終わらせてはならない「夢」がある。
欽ちゃんは苦しんでいるんだろうなぁ・・・。


「野球に失礼をしちゃった・・・。」
失礼があってはならない野球ってさ、何だと思う?
僕はずっとそれを考えてみた。
「野球は聖なる物。」
僕らのような年代の人間でもね、それは言葉では理解しているつもりなのだけれど・・・。


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欽ちゃんは現在64歳。
その年代の方々が持つ野球への想い・・・。
とても大きな野球への愛情・・・。
野球への特別な感情・・・。
それを今こそ僕たちも学ぶべきだ。


戦後、焼け野原の中で立ち上がった人々。
打ちひしがれた心。
リンゴの唄が流れていた頃、
そんな人々の心を励ましたのが野球ではなかったか。
貧しくても苦しくてもね、子供たちは工夫をしてボールを追いかけていたんじゃないだろうか。


青バットが、赤バットが・・・、
どれだけ多くの人の心を励まし慰めてくれたのだろう。
その時代に育った子供たちの心に、想いを馳せてみよう。


彼らにとっての野球。
それはまさしく「聖なる野球」・・・。


復興の槌音。明日への希望と不安。


お母さんが縫ってくれたボール。
ヘナヘナのグローブ。
空き地での三角ベース。


「聖なる野球」。「宝物の野球」。
僕らの父親たちが子供だった頃。


欽ちゃんもね、そんな子供の一人だったんだよね。


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だからね、欽ちゃん、ゴールデンゴールズ、絶対に解散しちゃいけないよって僕は思うんだ。
野球の楽しさとかさ、野球が出来てシアワセだなぁ〜って気持ちとかさ、
不安はあるけれど夢を追い続ける事の大切さとかさ、
若い人たちにもっともっと伝えてほしいんだ。


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「大好きな野球だったけれど、やめる事にします・・・。ごめんなさい!」


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欽ちゃんが泣いていたよ。
64歳の野球小僧が泣いていたよ。


野球小僧の悲しい涙は見たくないよ。