「僕、野球を習いたいの・・・。」

hayatonooyaji2006-08-15

8月15日。今年もまた、この日が巡ってきた・・・。
61回目の平和な夏。
雨、晴れ、曇り、雨・・・。
めまぐるしく変わる天気の1日だった。


甲子園では熱戦が続いている。
毎日のように日記に書いているんだけれど・・・、
やっぱりね、彼らの目を美しいと僕は思う・・・。
勝って良し。負けて尚、良し。


過酷な高校野球を賛美のみする気持ちは毛頭ない。


でもね、そこに挑み続けた彼らの「想い」だけは賞賛したい。
勝利し、誇らしげな顔で校歌を唄う姿を・・・。
敗れて、甲子園の土をバッグに詰める姿を・・・。


甲子園に歩を進める事が叶わなかった数多の球児たちも・・・。
僕は賞賛しようと思う。


「僕、野球を習いたいの・・・。」
これは小学校1年生の時の息子の言葉。
おそらく誰もが同じだったんだろうって思う。
「僕、野球を習いたいの・・・。」
なんて愛しい言葉だろうと思う・・・。
野球少年の誰もが言った言葉であるのなら、
すべての野球少年を愛しいと思うんだ・・・。


テレビの画面、逆転サヨナラゲームだった。
青森山田の投手・・・。
泣きじゃくる顔・・・。


いいんだ。君も全力投球をした。
ありがとう。
全力を尽くした君の青春のすべてを僕は肯定する。
「僕、野球を習いたいの・・・。」
小さい頃の君もさ、きっとそうだったんだよね。
敗れても良し。
君は素晴らしい野球を習っているじゃないか!


胸を張っていい。
君は君を誇りに思っていい。


ありがとうね。野球小僧・・・。


高校球児の姿を見ながら祈る。
みんな、心豊かな人生を歩んでほしい。


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8月15日。
僕が知覧を訪れたのは、21歳の時だった・・・。
壁に貼られた特攻隊員の写真を見ながら泣いた。
彼らが生きるはずだった未来を想った。
彼らが生きるはずだった未来を生きている自分を省みた。


彼らは純粋で、ひたむきな瞳をしていた。
現在、甲子園を駆ける少年達の顔に似ていた。
せっかく育てたのに。
せっかくここまで育てたのに・・・。
そんな子供を戦争に奪われた親御さんたちの無念を想った。


皆、「お母さん!」って言いながら亡くなったそうだ。


野球の好きな子供もいただろうに・・・。
彼らが残してくれたものは何?
彼らが命を賭けて守ってくれたのは何?


「僕、野球を習いたいの・・・。」


お母さんにお願いをした少年だっていたに違いない・・・。


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僕の息子。
ハヤト12歳・・・。


ここまでやっと育ててきた・・・。


ニッさんの息子
二ッちゃん・・・。


クマさんの息子。
コグマ・・・。


ウエさんの息子。
リョウくん・・・。


みんなみんな育ててきた・・・。


ユウくん。タニさん。マッちゃん。ムラ。
スズケン。カトケン。カネケン。サトル。シマちゃん・・・。
ケイちゃん。タイちゃん・・・。


ね、君たちの頭上に戦闘機は飛ばない。
君たちはしっかりと白球だけを追えばいい・・・。


それがどれほどシアワセな事か・・・。
君たちなら分かるよね・・・。


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人間は、ね、
シアワセになるために生まれてきたんだ・・・。


野球をしよう。
野球をしようよ。


野球の出来る喜びを感じようよ!


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8月15日。
今年もまた・・・。