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コルクのコア。
そこに幾重にも糸を巻きつける。
白く染められた2枚の革。
赤い糸で縫い合わせる。
これが野球のボール。
小さなボール。純白のボール。
こんなボールが世界を結ぶ。
夢を見よう。夢を見よう。
終わりのない夢を見よう。
真夏の太陽に照らされた野球帽の下。
君の瞳はキラキラ輝く。
「栄冠は君に輝く」
あらためて歌詞を読んだ時、
不覚にも僕は泣いてしまった。
雲は湧き、光り溢れて、
天高く純白の球・・・、今日ぞ飛ぶ・・・。
アメリカの野球少年たちの顔を見ながら・・・。
この歌を口ずさんだ。
同じなんだ。
君と同じなのさ。
野球が好きな子供たち。
栄冠は輝くんだよ。
君に。
君の心に・・・。
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夕刻。
新ロングコックスの選手たちに・・・、
八景ヘッドコーチがノックをしていた・・・。
白球を握りしめて、
まるで何かを託すみたいに、
あきらめるな!って・・・。
君の夢は無限大なんだ!って・・・。
素晴らしいノックだった。
子供たちを信じ抜いているノックだった・・・。
あきらめるな!
君の夢は無限大なんだ!
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栄冠は輝く。
それはね、英雄の頭上ではない・・・。
あきらめなかった子供の心に輝くんだ・・・。
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お願いだから後ろにそらすな!
このボールだけは・・・。
あきらめるな!って、ね・・・。
願いが込められたボールなんだ・・・。
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