野球少年たちのこと

小学校4年生のTくんのお母さんからメールを頂く。
Tくんは泣いてしまったそうだ・・・。
でもね、悲しい涙ではないんだ・・・。


お父さんがイラクサマワへ行く時、
Tくんは泣かなかったそうだ・・・。
イラクの子供たちがシアワセになれるように、お父さんはがんばって来るよ。」
Tくんとお父さんは指きりゲンマンをした。


「お父さんとの約束。ぼくは泣かないよ。」


Tくんはね、毎日グローブを磨いていた。
自分のグローブと、お父さんのグローブ・・・。


お父さんが帰ってきたら、キャッチボールをするんだ・・・。ってね。


なぁ、Tくん・・・。
お父さんのグローブ・・・。
お父さんの匂いがしていたかい?


そうか。だから寂しくなかったんだね・・・。


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無事に帰って来たお父さんの顔を見た時、Tくんは泣いてしまったそうだ・・・。


Tくんのお母さんからのメール、宝石みたいな言葉が並ぶ・・・。


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夏休みの作文に書いたそうだ。
Tくんは書いたそうだ・・・。


「お父さんの顔を見た時、ぼくは心がグーッと鳴りました。」


子供はね、誰もが詩人。


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グーッと心が鳴って、Tくんは泣いてしまったんだね・・・。


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Tくん。
がんばったね!強かったね!よく我慢したね!


よかったね!
大好きなお父さんとキャッチボールが出来るね・・・。


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親子の悲しいニュースが溢れ続けている時代。
でもね、Tくんみたいな男の子だっているんだ・・・。
上手に書いて伝える事が出来ない僕だ・・・。


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Tくん・・・。
おじさんもね、心がグーッと鳴ったよ・・・。
涙がポロポロ出たよ・・・。
お父さんの顔を見て泣いたってさ、恥ずかしくないよ・・・。


Tくん・・・。
野球がんばれ!
君は強いなぁ・・・。



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Tくん・・・。
おじさんは君が大好きさ。


偉かったなぁ、野球小僧・・・。
強かったなぁ、野球小僧・・・。


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悲しい時も、
うれしい時も・・・、


グーッと鳴る心を忘れないでいような・・・。