イラクサマワから帰ってきた日。
泣きじゃくり抱きついてきた息子を抱きしめながら、彼も涙をこらえることに必死だったようだ。
ありがとうな、グローブ。磨いていてくれてありがとうな・・・。
どんなにかうれしかっただろう・・・。
ピカピカのグローブ・・・。


たくさんキャッチボールをしたって・・・。
大好きなお父さんとね、たくさんキャッチボールをしたって・・・。
とてもうれしかったって・・・。


大好きなお父さんとキャッチボールをしている・・・。
そんな彼の顔を思い浮かべながら、僕は涙が溢れた・・・。


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すごいなぁ・・・。
君のお父さんはさ、スーパーマンみたいだね・・・。


悲しくて泣いている子供たちが多くいるんだって・・・。
君のお父さんはさ、そんな子供たちの味方だったんだね・・・。


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イラクでは・・・、


たくさんの子供たちの頭の上に・・・、
爆弾が落ちたの・・・。
たくさんの子供たちが爆弾の下で死んでしまったの・・・。


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小さな野球少年は信じている。
お父さんを信じている・・・。


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世界中の人々がシアワセだったらいいのに・・・。


君のお父さんも、僕みたいな事を言い続けていたんだってね・・・。


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小さな野球少年は信じているの・・・。



優しさや強さや、正義について・・・。



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今、僕らの時代はさ、ちょっとだけ恥ずかしい・・・。


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