落陽、まさしく「つるべ落とし」
つかの間の薄暮。すぐに漆黒の夕闇。
かじかんだ手のひらに息を吹きかける。


今頃君の家では、ね、お母さんが夕餉の支度。
きっとお風呂だって沸いているさ。
元気に君が帰ってくるのを待っていてくれる。


自転車に乗って。
気を付けてお帰り。
無事に家に帰ること・・・。
それが本当のホームインなのかもしれないね。


野球の空気。
胸一杯に吸ったかい?


元気にグラウンドを走ったかい?


北風が吹く道の上、
君を乗せた自転車がゆっくりと走る。


ホームベースへ。
暖かなホームベースへ・・・。


大きな声で言うんだぜ。


「ただいま!」って・・・。