サヨナラの意味について。
それは、とても小さな小さな「命」でした。
とても小さな小さな「命」でしたが、僕たち家族にとっては、かけがえのないたった一つの「命」でした。
サヨナラの時は突然訪れました。
ミニチュアダックスフンド・・・、マロン・・・。
たった3年半の生涯でした・・・。
昨夜、娘と息子と元気一杯に遊んでいました・・・。
大好きなお姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒に遊ぶ、まるで幼子のようでした・・・。
突然の痙攣・・・。
そしてマロンは動かなくなりました・・・。
娘の悲鳴。
ぎゅっとマロンを抱きしめる息子・・・。
「嫌だ!死なないで!」
大きな声で泣きじゃくる娘・・・。
マロンを抱きしめながら心臓マッサージをする息子・・・。
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夜遅い時間だったのですが獣医さんの元へ・・・。
懸命に手当てをして下さいました・・・。
「残念ですが・・・」
獣医さんの声を聞き、泣き崩れる娘・・・。
次第に冷たくなるマロンを抱きしめながらうなだれる息子・・・。
息子は無言でしたが涙がポロポロと頬を伝わっていました。
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「命」を想おう・・・。
限りある「命」を想おう・・・。
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僅か3年半でした。
けれどもね、濃密で暖かな3年半でした・・・。
娘はね、マロンがいてくれたからこそ、弟の野球で不在がちだった両親を許してくれていたのかもしれません。
息子もね、毎日のようにマロンを弟のように慈しみ抱きしめていました・・・。
必ずサヨナラの日がくる・・・。
だから今を大切に過ごしてほしい・・・。
ずっとずっと言い続けてきた僕なのですが・・・。
あまりにも辛く悲しい・・・。
取るに足らぬ小さな「命」なのかもしれないのだけれど・・・。
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今日、家族で・・・。
霊園へ行きました・・・。
娘は泣いていて、息子はマロンの亡き骸を毛布に包み抱きしめていました・・・。
たかだか動物の霊園なのですが、僕たちのように嘆き悲しむ多くの人たちがいました・・・。
みんなみんな泣いていました・・・。
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小さなサンタクロースのぬいぐるみと花を買いました。
マロンの白い棺に供えました・・・。
棺は僕が抱きしめて運びました。
見慣れた毛布に包まれて目を閉じるマロンの顔・・・。
呼びかけたら僕に飛びついてくるような気がしました・・・。
僕は歩きながら棺の中のマロンに頬ずりをしました・・・。
涙が止めどなく溢れました・・・。
僕は、サヨナラが言えませんでした・・・。
サヨナラが言えないのです・・・。
彼の「命」は小さな「命」でした・・・。
けれど、かけがえのない「命」でした・・・。
もっともっと可愛がってあげればよかった・・・。
もっともっと優しく接してあげればよかった・・・。
娘も息子もカミさんも気丈でした・・・。
僕は娘の肩を抱きながら泣いていました。
「命」や、サヨナラの意味について考えていました・・・。
答えなんて見つけられなかったのですが・・・。
「ありがとう」
その言葉しか思い浮かびませんでした。
「ありがとう」
サヨナラをする「命」に贈る言葉ではありませんが・・・。
「ありがとう」
そんな言葉しか思い浮かびませんでした。
「ありがとう」
たった3年半の時間だけしか君には与えられなかったのだけれど・・・。
君はたくさんのシアワセを与えてくれました。
悠久な短い時間でした・・・。
ありがとう。ありがとう・・・。
娘と息子のために・・・。
君は大切な何かを教えてくれました・・・。
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「命」
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草木にさえ、名も無き虫にさえ、
「命」を想って生きていたいものです。
いつサヨナラの時が来るのか誰にだって分かりません。
今日一日を大切に過ごそう・・・。
シアワセはね、今、心の中にあるの。
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マロン。
ありがとうな・・・。