ダンデライオン2

hayatonooyaji2007-03-22

懸命に咲いていた一輪のタンポポが、白くて柔らかな綿毛に姿を変えていた朝のこと。


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まるでメリーポピンズのように、「空を飛べる傘」を構えながら、小さな種子たちがビッシリと並んでいた。
種子たちはね、じっと待っていた。
春の風が吹いてくる時を、じっと待っていた。


風に乗ってふわりふわり・・・。
種子たちは旅立つ・・・。


ねぇ、君はさ、どんな場所にたどり着くのだろうね・・・。
とても小さな君が、しっかりと咲き誇ってくれるように・・・。
僕は、祈ることしか出来ないのだけれど・・・。


いいかい?種子たちよ。
蒔かれた場所で咲きなさい・・・。


たとえ、そこが砂漠であったとしても、
懸命に地中へ根を伸ばしなさい・・・。
太陽に向かって背伸びをしなさい・・・。


どんなに小さな存在でも命。
取るに足らぬ命など在り得ないんだ。
咲きなさい。咲きなさい・・・。
咲こうと努力しなさい・・・。


僕は、君たちが好き。
小さくても弱くても。
僕は、君たちが愛しくてならない。
懸命にね、今を咲きなさい・・・。


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ダンデライオン
「空飛ぶ傘」を構えた種子たちよ。
僕は、君たちが大好き。
だって、君たちはね、あまりにも野球少年に似ているので・・・。


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ダンデライオン・・・。
懸命に咲こうとする君たちの姿が、あまりにも野球少年に似ているので・・・。


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ダンデライオン
君の美しさにね、僕は震えそうになるんだよ。
ダンデライオン・・・。


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中学3年生の、思いつく全ての野球少年たちの笑顔を思った・・・。
「空を飛べる傘」を手にした君に・・・、
どんな風が吹いてきたかい?


君は、どんな場所に降り立ったのかい?


僕は祈る。ごめんよ、祈る事しか出来ないのだけれど・・・。

君が降り立った場所で花開く事が出来ますように・・・。


ダンデライオン・・・。
小さくて強い花に負けないで・・・。
キラキラと光る君だけの花を咲かせなさい・・・。


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がんばれがんばれ・・・。


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夕方の写真なんだ・・・。
タンポポの綿毛はね、こんなになっていた・・・。
どんな風に乗って旅立って行ったのだろう・・・。


地中深く、一生懸命にね、根っこを生やしなさい・・・。


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がんばれがんばれ!


全ての野球少年たち・・・。