熱き不死鳥たち

熱き不死鳥たちの闘い。
ようやく白星がつく・・・。


14人と4人ではない。
18人なんだ・・・。
フェニックスで野球を学ぶ仲間なんだ・・・。
かけがえのない仲間なんだ・・・。


清瀬ポニー・フェニックスで野球を学べる意味を考えてみよう・・・。
野球の風を試合で感じられるありがたさを考えてみようよ・・・。


フェニックスはね、ポニーリーグだからこそ存在し得るチームなんだ。
もし君たちがポニーリーグ以外にいたならば、間違いなく「白い練習着のままの選手」だろうね。
謙虚で在り続けなさい。
ひとつひとつのプレーから学び続けなさい・・・。
野球が出来る喜びを、決して忘れず感謝しなさい・・・。


明日には夢叶う、夢叶う、必ずいい風が吹く・・・。
その日までね、僕ら親父たちは皆で応援を続けるからさ・・・。


「勝って学ぶ事もある。しかし、負けて学ぶ事の方が何倍も大きい。」
これはね、島田総監督の言葉なのだそうだ。


そう、本当はね、現在の君たちに白星も黒星もない。
純粋に、ひたむきに、ただ白いボールから学んでほしいんだ・・・。
心をひとつにして目標に向かう事や、成し遂げた達成感を噛み締められる日のために。


18人が、野球の神様から託された物・・・。
必ずある。それが何なのかを考えてみよう・・・。
中学生なんだもん、自分でしっかりと考えてみようよ・・・。
大丈夫!ノープロブレム!
君たちはシアワセなんだぜ・・・。
ユニフォームが着られてさ、背番号までもらえている・・・。
それがどんなにシアワセな事か、どんなにありがたい事か、君たちは知るべきだ。


恵まれすぎているぞ。
ポニーリーガー・・・。


君たちのために僕は泣かない。
クマおじさんも泣かないと思う・・・。


僕たちが泣かなければいけないのはね、
白い練習着のままで、野球を終えなければならない子供たちのためだけだ・・・。
本当は、中学硬式野球の道はね、それほど険しい物なんだ・・・。
決して忘れないでいてほしい。
白い練習着のままで中学野球を終えた子供たちだってね、
君たちに負けないぐらい野球が好きだったはずなんだ・・・。
「僕、野球ヲ習イタイノ」ってね、誰もが言ったはずなんだよ・・・。


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アキラくんがマウンドに立つ。
僕はね、こみ上げそうになるのだけれど、涙の意味が違う。
すっくと胸を張る姿。
誇り高き投手。
がんばれ!がんばれ!自分を信じて!
野球が大好きな自分自身を信じて!
仲間たちを信じて!
野球の風を、胸一杯に深呼吸して!


「プレイボール!」
きっとね、永遠のプレーボール!
終わらせてはならない夢のプレーボール!


どんな大人だって奪う事の出来ない、野球小僧の夢のプレーボール!


アキラくんの投げる姿がね、僕は大好きなんだ・・・。


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白い練習着のままで、中学硬式野球を終える少年がいない。
ポニーリーグにはいない。


え?甘すぎるって?


でもね、少年を主人公にした少年野球があっていい。


ここにある。
ここに幸あり


寒いのに半袖を着ている僕が言うのも恐縮だけど。