君を守ろう

中学2年生だ・・・。
現在、学校に来る事が出来なくなってしまっている、Mくんと云う男の子について、
ずっとずっと僕は考えていました・・・。


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大丈夫なんだよ、Mくん・・・。
教室にはね、きちんと君の机があるんだよ・・・。


新しいクラスメートたちはね、待ってくれているよ。
君が元気に教室にやって来るのをね、みんなで待っていてくれるよ・・・。


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Mくんは、とても小さな頃からずっと、父親に否定されていた男の子だったそうです。
「お前はな!何をやってもダメな人間なんだ!」って・・・。


「野球だってヘタクソだ!」


Mくんが、野球少年だったのかどうかは知らないのですが、
その一言に僕はね、とても大きな憤りを覚えました・・・。


子供も大人も関係なく、人間にとって一番過酷な事はね、
誰からも自分の存在を肯定されない事なのだと僕は思います・・・。


「野球だってヘタクソだ!」


肯定される事なく育った子供にとって、それはあまりにも残酷な言葉だったようです・・・。
僕は、部屋の中に潜んでいるMくんをね、ギュっと抱きしめたいと思います・・・。
君は弱くない。
弱くなんてないんだ・・・。
君は闘っているんだよ、誰よりも力強く・・・。


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僕は、小山ドラゴンズの小川監督の姿を思い浮かべました・・・。


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野球にね、タラ・レバは禁句・・・。


でもね、僕は思うのです。
もし、Mくんがね、小山小学校にいたら・・・。
小山小学校にいて、野球が好きで小山ドラゴンズにいたのなら・・・。
そして、苦しんでいる君の傍に、小川監督がいてくれたのなら・・・。


君はね、きっと元気に学校へ行っていたはずなのにと思う・・・。


「オメェ、すごいな!」


小川監督は言ってくれたと思う・・・。
弱いチームかもしれないのだけれど、
子供を弱くする事の無い監督でした・・・。


小川監督がMくんを抱きしめてくれていたなら・・・。


Mくんは元気にね、中学校に通っているはずです・・・。


小川監督!


まだまだ、まだまだ、


あなたには子供たちと一緒にいてほしい・・・。