ぴちぴち父さん
日課だよ、日課ぼっかニッカボッカ・・・。
うんにゃ、違うってば!バッティング練習の「金魂」さ。
真正面に腰掛けて布ボールをトスし続けている僕・・・。
暑い!
近頃は本当にムシムシと暑い・・・。
ん?ムシムシと暑い?
そうか!だからムシ暑いって言うのか!発見!
え?知ってたって?
むっしっし・・・。
なにしろな、こちとら重装備なり。
布ボールだってな、当たれば痛い。
痛いのは嫌〜ん、ジャニスイヤ〜ン・・・なんちゃってな。
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ラスト1球!
パッコーン!
いい感じだ!
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頭に被っていた段ボール箱を取る。
風が涼しく心地よい・・・。ヨイヨイっとな・・・。
ウインドブレーカーを脱ぐ・・・。チョッとだけよ・・・。なんちゃって。
お腹に入れていた座布団を外す・・・。
やっぱり半袖がいい。
うむ、富士には月見草がよく似合う。
僕は半袖がよく似合う、
よく臭う(汗で、ね。)
ファウルカップ(超々特大)も外そう・・・。
ムレちゃう、男たる者、群れてはいかん!
ズボンの中に手を入れる・・・。
「ああっ!ダメだよっ!家の中に入ってから脱ぎなよ!」
ハヤトが叫んだ!
ハヤトは堅物・・・ブツブツ堅ブツ・・・。
何でだろ?謎だね。
親父はさ、こんなにグニャグニャした男なのにさ・・・。
え?反面教師だってか?
「あっ!うわぁぁぁ〜っ!」
再びハヤトが叫んだ・・・。
あ?何だ?親に意見する気か!
「父さんがオレのシャツを着てる!!」
違うぞ!
ちゃ〜んと父ちゃんの引き出しに入っていたシャツなんだもんね!
確かに着る時にはさ、ちょびっとキツいニャ〜とは思ったけれど・・・。
「超人ハルクみたいになっちゃってるじゃないか!きっと母さんが間違えたんだ!」
言われてみれば見慣れぬシャツなり・・・。
良かった。ホッとした・・・。
僕が太ったんじゃなかったんだ・・・。
太ったからシャツが小さくなったと思っていた・・・。
な〜んだ、わははっ!お前のシャツか?
良かった・・・、本当に良かった・・・。
太ったんじゃなかったんだ・・・。
わっはっは!
めでたしめでたし・・・。
「うわぁ〜ん!めでたくないっ!伸びちゃったじゃないか!もう着られないっ!」
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教訓・・・。
小は大を兼ねない・・・。
いいか?ハヤトよ!
もっともっと大きくなれ!
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ピチピチシャツを着ながら言ってもな、
いささか説得力に欠けるけれど・・・。