少しだけ雨が上がるとき。

少子化が叫ばれて久しいのだけれど、最近は小山にも新しい住宅が増えて、小さな子供たちを多く見かけるようになった。
やっぱり地域の中に子供が増えるのはうれしいものだ。
外で遊ぶ子供たちの声が聞こえるとね、なんだか僕はとてもホッとする・・・。


「まち」・・・。
漢字で書くと「街」、あるいは「町」
英語で言うとホームタウン・・・。
みんながシアワセに生きるべき場所。


お年寄りは達者で・・・。
子供たちは健やかに・・・。
僕は自由気ままに・・・。
そうやって暮らせたらサイコーなのだ・・・。


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今日は雨。
ご近所の小学1年生の所にね、友達がたくさん遊びに来ていた。
色とりどりの傘をさして。
黄色いレインコートを着て。
カブトムシの入ったプラケースを持って。


その様子がとても可愛らしかった・・・。


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ふと思う。
ハヤトたちだってさ、こんなにちっちゃかった・・・。
ついこの間まで、この子たちのようにちっちゃかった・・・。


あっと言う間だ・・・。
子供が大きくなってしまうのは・・・。


もっともっと。
もっともっと小さな我が子と遊んでおけば良かった・・・。


たぶん僕は、人よりも多く我が子と遊んでいた親父だ。
でもね、それでも足りなかったと思ってしまうのはなぜだ?


今、小さな子供さんを持つ若い親父たちに言ってあげたい。
大変かもしれないのだけれど、もっともっとムキになって遊んでもいい・・・。
ムキーッ!てな・・・。
たくさんたくさん遊んであげて・・・じゃなかった。
たくさんたくさん遊んでもらっておいたほうがいい・・・。


どんなに抱きしめてあげても足りない・・・。
足りなかったと思ってしまうはずだ・・・。


それが親の心なのかもしれないな・・・。
この淋しい気持ちは何だろう?


「ウキャ〜!ウキャピ〜!」
こんな声で笑っている幼い日のうちに、
どうかたくさん抱きしめてあげてほしい・・・。


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色とりどりの傘。
黄色いレインコート。
そして・・・長靴・・・。


お〜い!
あんまり早くにね、大きくなっちゃうなよっ!


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高校生になった娘を抱っこしたらな、きっと泣き叫んじゃうだろうな・・・。
口をきいてもらえなくなっちゃうだろうな・・・。


中学生のハヤトを抱っこしたらな、きっと怒ってぶん殴られちゃうだろうな・・・。
もっともな、殴られたら倍にして返してやるけどな・・・。
そうしたらさ、よく考えたら悪いのは僕だよな・・・。
つまんねえよな・・・。


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「父さん、雨が上がった!布ボール投げてよ。」


おっ、おおっ!
やろうぜ!


これだけが今の僕に出来る抱っこなのかもしれないな・・・。
たくさんたくさんしておこう・・・。


いつか、それでも足りなかったと思ってしまう事はね、目に見えているのだけれど・・・。


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「ウキャ〜!」
「ウキャピ〜!」
あの小さな子たちが外で遊んでいる声がする。


素振りをする時にはね、厳重な注意が必要だ・・・。


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ちっちゃな子供たちの様子が可愛い・・・。


今夜あたり、僕の夢の中にね、ちっちゃなハヤトが遊びに来るかもな・・・。


ダブダブの新しい小山ドラゴンズのユニフォーム姿で・・・。


「オトウサン!キャッチボールシヨウ!」って言いながら・・・。


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大切なのは昨日よりも今日。
そして明日。


そんな事は分っている。


でもね、昨日だって愛しいものなんだよ・・・。