オン・ザ・ラン
昨年の夏、甲子園のバックネット裏から見た高校野球を思い出す。
炎天下のスタンド・・・。
かちわり氷の冷たさ・・・。
銀傘の中に響くセミの声・・・。
マスコミを騒がせていたスター選手たちのプレーも素晴らしかったのだけれど、
今、あらためて思い出せばね、僕の心の中に残っている感動の主は彼らではないんだ・・・。
1年が経ち、なお強く印象に残っている場面が他にある・・・。
伝令としてマウンドへ走り、そしてベンチに戻っただけの選手だ・・・。
彼のユニフォームの両膝にもね、土が付いていたんだよ・・・。
エースが投げる球のひとつひとつも素晴らしいものだ。
でもね、伝令の少年の膝の土だって素晴らしいものだと思った・・・。
鮮烈に土の色さえ今なお思い出せるんだ・・・。
時間というフィルターを濾しても、本当に尊い場面は褪せる事などない・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
尊い野球をすればいいんだ。
褪せる事のない野球をすればいいんだ。
野球の神様は見ている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
清瀬ロングコックスは日本選手権3位。
清瀬フェニックスは会長杯ベスト8・・・。
日本選手権&会長杯の幕は下りた・・・。
尊い野球の日々だった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3年生たちの涙・・・。
2年生たちの涙・・・。
1年生だって涙・・・。
誰もが懸命に練習をしていたんだもの、
泣いたっていいさ。
その涙はね、これからの君たちの魂を形作るものだ・・・。
未来を生きる君たちの心の糧になり得るものだ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
清瀬ポニー29期生の先輩たち・・・。
ありがとう!
夢を叶えるのはね、まだまだ先でいいんだよ・・・。
君たちも立派な先輩たちでした。
ありがとう!