夏のてっぺん。
今日がこの夏のてっぺんなのだそうだ・・・。
ラジオの天気予報でそう聞いてしまうと、なんだか暑さもちょっぴり愛惜しい・・・。
甲子園では準決勝が行なわれていた。
ラジオの中継に耳を傾ける・・・。
緊迫した場面になる度にね、僕は仕事部屋を出て居間へ行く・・・。
ちっ、いまいましい・・・。なんちゃってな。
居間では今、ハヤトがテレビの前で釘付けになっている。
まさしく釘付けとはな、この事を言う・・・。
ホゲラ〜って表情をしながら高校野球中継を見ている。
しかもヤツは「う〜ん、う〜ん・・・」って唸っていて、すごく笑えた。
ぼく「どうだ?すげぇピッチャーだな・・・。」
ハヤト「うん。インハイの速い球、アウトローの遅い球、なにしろスライダーでカウントを稼げるのがデカイね。」
ぼく「あ?父ちゃんには分らん・・・。難し過ぎるぞ・・・。」
ハヤト「・・・・・・・・・・・。」
あっ!鼻で笑いやがったな!
どうせ父ちゃんには分からないよっ!
はいはい、悪うございましたっ!
めでたしめでたしだろっ!
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暑さのピークが今日。
夏の風景の中にある高校野球。
親子でする野球の会話(か、どうかはね、僕の場合は疑問なのだけれど)・・・。
僕は野球を楽しんでいる親父だ・・・。
それはとってもシアワセな事だ・・・。
高校野球をさ、無理やりに少年野球にカテゴライズするのはいささか乱暴かもしれないのだけれど、僕は思う。
甲子園でテレビに映る汗も素晴らしい。
けれど、そこを目指した全ての少年たちの汗だって素晴らしかったんだって事を、ね。
この夏のてっぺんの日に・・・。
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そうそう、現在高校2年生のSくん・・・。
彼は、この夏を目指す地方大会で念願のベンチ入りが叶ったそうだ・・・。
すごいんだぞ、誰もが知っているあの高校で、だ・・・。
中学時代、彼は所属していた硬式野球のリーグでね、練習着のままで終わった選手だったんだよ。
けれど諦めなかったんだ・・・。
ずっとずっと野球が大好きだったからね・・・。
今が大事・・・、もちろん今が大事なのだけれど、
もっと大事なのは未来だ。
未来を大事にする事はね、けっしてあきらめないって事なんだ・・・。
もしも野球少年に優劣があるとするのならば、
それは、心の持ち方だけなんだよ・・・。
Sくんの様子を聞き、あらためて僕はそれを実感した。
この夏のてっぺんの日に・・・。
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「明るくやろう!元気にやろう!必ず君たちは強くなれる!」
日曜日の遠征からの帰着後、ミーティングで清瀬ポニーの選手達に向けて八景監督が語った言葉だ。
そうだよ、絶対に心を倒してはいけない。
あきらめちゃダメだよって教えてくれているんだ・・・。
がんばってほしい。
清瀬ポニー・30期、31期生たち・・・。
現在野球が上手な少年と、これから野球が上手になる少年ばかりだ・・・。
ライバルたちもね、ぐんぐんと上手になっている。
たくさんの試合を経験しながらね、全てのチームの全ての選手が伸びてくれたらシアワセだ・・・。
全てのチームの全ての親父たちが見守っている。
野球少年みんなを見守っているんだ・・・。
同じ心で、ね・・・。
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あきらめない。
それが大事。
あきらめない。
英語で言うとね、ノー・サレンダーさ・・・。
僕ら親父はね、スレンダーさ・・・。(嘘)
ノー・スレンダーが正解だな・・・。
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夏のてっぺん。
暑いシアワセな日。