小春日和だったんだよ。

とても好い天気の一日だった。
今日のような日の事を小春日和と呼ぶんだよ、小春ちゃん・・・。
眩しい太陽の下にね、いつまでもい太陽・・・なんちゃってな。


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ご無沙汰をしていた同級生からの、久しぶりのメール・・・。
そこには、こんな言葉が書かれていた・・・。


「元気ですか?
 我が家も家族が増えて賑やかになりました。」


おお〜っ、ついに3人目の子供の誕生か!
よしよし、出産祝いを贈ってやらなくっちゃな・・・。
早速に僕は返信をする。
ヘンシ〜ン!ってな・・・。


「おめでとさん!
 更なる健闘・奮闘を期待します。
 がんばれがんばれ!父ちゃん!」


ピピッと送信する。
送信した後にね、添付されていた写真を見る・・・。
携帯の場合は、いつだってそうしている。
写真が表示されるスピードが遅いんだ・・・。


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だが、表示された写真は、パグの仔犬だった・・・。
笑っちゃうような間抜けな顔をしているぞ・・・。
マ抜けなミムメモなんちゃってね。


否、よくよく見てみよう・・・。
これは仔犬ではなくって、人間の赤ちゃんかもしれない・・・。
このトロ〜ンとした目は、ヤツにそっくりだぞ・・・。
真っ直ぐに正面を向いちゃった鼻なんてな、ヤツの嫁さんそのものだ・・・。


恐るべしDNAと呼んでもいいだろう・・・。
遺伝子・・・摩訶不思議・・・。


犬かな?
人間かな?
どっちかな?
ピンク色の首輪だからなぁ・・・、
やっぱり犬かな?
毛むくじゃらだしシッポもあるし・・・。


僕は、もう一度、ヤツにメールを送信した。


「ひょっとして仔犬?
 それとも三女?
 いずれにしても奥さんにソックリだね。うっしっし。」


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それっきり、ヤツから返信は来ない・・・。
ひょっとして逆鱗に触れちゃったか?・・・僕は・・・。


怒っちゃったか?・・・ヤツは・・・。


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許そうよ・・・。
笑って許してしまおうよ・・・。
友よ。


なんたって今日はさ、小春日和なんだもんね。


パグの名前、小春ちゃんってどう?


え?パグじゃない?
人間の赤ちゃんだって?


それなら名前はパグでどう?