東京砂漠にゃ負けないぞ!

hayatonooyaji2008-02-24

木々がユラユラと揺れている・・・。
青空の綺麗な水色から、砂ぼこりの褐色までの激しいグラデーション・・・。
激しく吹き荒れる風が、カラカラに乾燥した東京の風景を、一瞬にして砂漠に変えた・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


びぃえっくし!
おっと失礼・・・。
僕のクシャミの音でござる・・・。
寒いのではござらぬ、砂ぼこりが、は、は、鼻の中に・・・・。
びぃえっくし!
どなたかティッシュを分けてくださらぬか?
おおっ、これはこれはかたじけない・・・。
びぃえっくし!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


グラウンドの上を何度も砂塵が通り抜ける・・・。
容赦なく選手たちを砂ぼこりが包むように吹き抜ける・・・。
江東VS清瀬の練習試合。
江東の選手だって清瀬の選手だって、みんな一生懸命に冬の練習を乗り越えて迎えた今日なのに・・・。
江東の選手だってさ、清瀬の選手だってさ、久しぶりに会えて対戦出来る今日を楽しみにしていただろうに・・・。
風が恨めしい・・・。
どちらのチームの選手もね、怪我だけはしないでおくれよ・・・。
きっと、本当の春は、もうちょっとだけ先なんだね・・・。


ゴォーッ!ゴォーッ!
吹きすさぶ風の中・・・。
それでも野球に魅せられた少年たちは、元気いっぱいに走っていた・・・。
そうだよ、負けるな負けるな砂ぼこりなんかにね!
がんばれ!がんばれ!


負けるな!江東ポニー!
がんばれ!清瀬ポニー!
得点板の所から僕は見ていた・・・。
びぃえっくし!ってなっちゃっていたけれど、ずっとずっと見ていた・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ゴォーッ!ガッシャーン!
風に煽られた得点ボードが1枚、僕の頭上スレスレをかすめて落下した。
小さいけれど鉄板なり、重さは2キロを越えるだろう・・・。
♪オイラの空は鉄板だ〜♪なんて唄っている場合ではない・・・。
こんなのが頭に当たっちゃったらさ、相当痛いぞ・・・。
たぶん、泣いちゃうくらい痛いと思う・・・。
まさしく強風の恐怖・・・、恐怖の強風と言えるだろう・・・。


審判をしていて打球に直撃された人は、何を隠そうこの僕だ。
得点係をしていてボードの直撃を受けたのも僕だったりしたらさ、かなり切ないぞ・・・。
危ないところだった・・・。


びぃえっくし!
クシャミは止まらないんだけれど・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


予定よりも早く、江東ポニーの選手たちは帰途につく。
走り出したマイクロバスの車中からね、元気いっぱいの選手が大きく手を振っていたよ・・・。
清瀬ポニーの選手も帽子を振って見送っていたよ・・・。


本当の春はね、もうすぐ必ずやって来る・・・。
本当の春が来たらね、また会おう・・・。
そして対戦しよう・・・。
フェアプレーに溢れた素晴らしい野球を見せておくれ・・・。


その日を楽しみにしよう・・・。
その日まで、元気にがんばる日々を再び過ごそう・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


寒い砂嵐の一日だったけれど、今日も野球少年たちは元気と勇気をくれた・・・。


ありがとうさん!
ありがとうサンデー!


再見!
シーユー!