5センチの言い訳。

しとしと・ザーザー・しとしと・ザーザー・・・。
強く弱く、弱く強く、飽きることなく雨は、一日中ずっと降り続いていた・・・。
春雨と呼ぶにはね、いささか早いような少し冷たい雨だった・・・。


しとしと・ザーザー・しとしと・ザーザー・・・。


こんな雨模様の平日が、僕は結構好きだったりする。
息を吐くと、知らず知らずのうちに心の中に溜まっていた良くないものが、スーッと空気の中に溶けてしまうような気持ちになるんだ・・・。
スーッと溶け出してくれて、心が軽く、楽になるんだよ・・・。


しとしと・ザーザー・しとしと・ザーザー・・・。


さすがにね、ピッチピッチ・チャップチャップ・ラン・ラン・ランとまではさ、いかないけれど・・・。
心が軽く、楽になるんだ・・・。


雨の日も悪くない。


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あれ?オマエ、デカくなってないか?
朝、寝ぼけまなこで起きてきたハヤトを見て僕は言った・・・。
成長期の子供って興味深いものだ。
こうやって目に見えて大きくなっている日がある・・・。


「父さんが縮んだんじゃないか?・・・年齢的にさ・・・。」


並んで立ってみる。
とうとうこの日が来た・・・。
ハヤトの肩と、僕の肩の高さが同じになった・・・。


僕の身長は177センチ。
四十路を過ぎて今、175から6ぐらいだと思う・・・。


だが、今日の身体測定に於いてハヤトが正確に測ってもらった身長は、171.5センチだった・・・。


何でだろ?
肩の位置は同じなのになぁ、何でトータルで5センチちょっとも違うんだろ?
謎だね、人体の神秘なんじゃないだろうか?


「顔よ。・・・きっと顔の大きさの違いよ。」って、カミさんが言った・・・。


う〜む、僕とハヤトの顔の大きさは5センチ以上も違うのか!


「今にきっとドラえもんみたいになるわよ、あなたは・・・。」って、カミさんが追い討ちをかけた・・・。


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顔がデカい・・・。
顔がデカい・・・。
僕の顔ってデカいのか!


たしかにどこでもデカイ面をしている僕だけれどな・・・。


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のび太く〜ん!
助けてチョ〜ダイ!