モクレンは晴れたら輝くのさ。
一日中、雨は、降ったり止んだりを繰り返していた。
季節は晩春。
雨は降るのだけれどジメジメなんかしていないんだ。
何だか心地良い湿度の中の木曜日・・・。
小さな小さな庭にあるモクレンが咲いている。
しっとりと水滴を纏いながら咲いている。
晴れたらきっとね、美しく輝く。
それは、雨の日を耐える大切さを花たちは知っているからだ。
快晴ばかりが続くなら、花は美しくなんて咲く事は出来ない・・・。
あたりまえの事なのにな、それを雨の日に気付く・・・。
人間とは、かくも愚かなものだ・・・。
でも、なぜに人が花に魅かれるのか、少し解ったような気がする。
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ゆっくりゆっくりとバットを振る。
春の雨が君の体に纏わりつく。
がんばれよ、がんばれよ、水滴を纏いながらも咲け。
今は雨。
でもね、必ず晴れる日もある。
晴れたらきっと、輝ける。
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雨の日がある。
土も草も木々も花も泣いているみたいに見える。
でもね、泣いているみたいに見えるから、晴れた日には笑顔に見えるんだよ。
野球もきっと、同じだ。
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「泣いても笑っても残り僅か・・・。」
それは違うと僕は思う。
泣いても笑っても・・・なんてね、僕は言わない・・・。
残り僅か・・・なんてね、僕は言わない・・・。
泣いたり笑ったりしながらず〜っと続く。
それを僕は言う。
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なぜなら僕は、君の父ちゃんだからな。