大切に使ってくれてありがとう。

hayatonooyaji2008-05-08

考えてみれば、僕と一緒にスポーツ用品店に行くなんて、ハヤトにとっては久しぶりの事だ。
最近はもっぱら、チームメートと電車に乗って、飯田橋にあるベースマンばっかりだったものな・・・。
でも、それはね、とっても良い事だと思うんだ・・・。
行き帰りの電車の中で仲間と交わす野球の話題ってさ、とっても参考になるだろうからね・・・。
だから今日は特別・・・。
急がなければならない買い物だもんな・・・。


スパイク・・・。
28センチ・・・。
現在使用している物の修理をお願いして、
同じ大きさの新しい物も買い求めた・・・。


「高いなぁ・・・。父さん、・・・悪いね・・・。」


何を言う・・・。
ずっと大切に手入れして使ってくれているし、元気いっぱいにグラウンドを駆けてくれている。
父ちゃんはなぁ、ようやく正しいお金の使い方が解ってきたところだ・・・。
そうさ、人よりそれに気付くのが遅かったけれどな・・・。
これは、無駄遣いじゃない・・・。
父ちゃんにそれを教えてくれたのはオマエだぜ・・・。


お〜い、お店のお兄さん・・・。
この靴おひとつくださいな・・・。


「・・・父さん、・・・ありがとう・・・。
 成長したね、・・・父さん・・・。
 ありがとう、・・・足は臭いけどね。・・・。」


って、一言余計だぞ・・・。


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スパイクはアシックス・・・。
ちっちゃな頃からずっとハヤトはアシックス・・・。


これからもずっと、元気いっぱいにグラウンドを駆けておくれ・・・。


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スポーツ用品店の中に貼ってあるポスターを見る。
イチロー選手がモノクロで写っているミズノの広告なのだけれど、
それが、すごくいい・・・。
そこに書かれている文章を読み、なんだか涙が出そうになった・・・。


おそらく、どこのスポーツ用品店さんでもね、現在貼られていると思う・・・。
どうか、野球少年を持つ親父の仲間たちよ、ご一読あれ・・・。


きっと、ちいさな野球少年たちに向けてなのだろう、すべて平仮名で書かれたメッセージだ。


野球の道具を大切にして・・・と、ある・・・。
試合の中で何か良い事があると信じて・・・と、続く・・・。


そうなんだよ、
そこに書かれているメッセージはね、真実なんだ・・・。


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野球少年たちよ、どうか野球の道具を大切にしておくれよ・・・。


大切にしている道具はね、大切な場面でさ、必ず君の想いに応えてくれるんだ・・・。


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「いいか?せっかく父ちゃんや母ちゃんが苦労して買ってくれたグローブだ・・・。
 大切に使わなきゃダメだぞ・・・。
 グローブは、こうやって磨くんだ・・・。」


「ハイ!ワカリマシタ!」


ギュッ・ギュッ・ゴシゴシ・・・。


ちいさな野球少年・・・。
君のグローブは宝物だぜ・・・。


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ハヤトのグローブは、高価な物ではない・・・。


ポニーリーグに入った時に買った、硬式用の一番安い物だ・・・。


でも、そのグローブを買った時、本人は本当に喜んでいた・・・。
毎日のように手入れをして、大切に使ってくれている・・・。
紐とかさ、ポケットの部分の革とかさ、修理に出しながら愛用している・・・。


値段なんて付けられない宝物みたいなグローブになった・・・。


そのグローブがハヤトの想いに応えてくれた場面を、この2年間で何度か目にした・・・。


ミズノの広告に書かれている言葉。
それは、本当に真実なんだ・・・。


ちいさな野球少年たちよ、どうか野球の道具を大切にしておくれよ・・・。


本当だよ、必ず応えてくれるからさ・・・。


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少年野球・・・。


そこで学んでいるのはね、子供たちだけじゃない・・・。


子供たちの姿からさ、本当に学ばせてもらっているのは、きっと僕ら親父たちだ・・・。


最近、ふと、そんな事を思う・・・。