五月雨にグッバイ!
日曜日の朝、やっぱり雨は残っていた・・・。
5月の雨・・・。五月雨(さみだれ)と言う・・・。
♪チュッチュルル〜・チュルチュッチュッチュッチュル〜♪と、僕は唄いながら目覚め、階下へと降りる。
♪チュッチュルル〜♪を読み、甲斐バンドの「裏切りの街角」のメロディが浮かんだ人は、たぶん、同世代なり。
♪シトシトさみ〜だ〜れ〜♪と唄いながら僕は、家族におはよう!を言う・・・。
♪チュッチュルル〜♪・・・おい、ハヤト!おはようさん!
「・・・ぉ・ょ・・・。」ってさ、そんな朝の挨拶があるか!
どうしたどうした?その辛気くさい顔は?
土曜日の夕方には既に、野球は中止が決まっていたので、こんなに暗い顔で朝を迎えていようとは思わなかった。
連絡メールが来る・・・。
「本日午後2時集合、練習・・・。」と、ある・・・。
良かったじゃないか、野球あるってさ・・・。
「おおっ!父さん!おはよう!」って、見事な速さでハヤトは元気になる。
あまりにも解り易い性格だ・・・。
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「ボウフラも 蚊になるまでの 浮き沈み」
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正直言うと、そんな感じの息子なんだ・・・。
でもね、中学3年の現在、こんなにもこんなにも野球が大好きでいてくれる・・・。
親父にとってみれば、こんなにうれしい事はない・・・。
野球の神様は、・・・いる。
信じている人にはね、・・・いる。
信じていない人にはね、・・・いない・・・。
だったらどっちがいい?
わっはっは!きっとね、答えはカキーンの音の中にある。
心豊かなる人生を歩んでおくれよ・・・。
「ボウフラも 蚊になるまでの 浮き沈み」
わっはっは!それでもいいじゃないかってね、父さんは思うぞ・・・。
蚊になるまでのボウフラの浮き沈みだっていいんだよ・・・、
浮き沈むところ、人生に味わいあり、さ・・・。
沈み浮くところ、人生の味わいあり、さ・・・。
味わうところ、豊かな人生あり、さ・・・。
さぁ、胸を張って!
背筋をシャンと伸ばせ!
誰もがみんな、夢と希望と不安あり!
真っ直ぐに歩き続けなさい・・・。
あの子にも、この子にも、僕は言ってあげたいよ。
夢中で白球を追い続ける日々は、決して無駄になんかならないものさ・・・。
行ってらっしゃい!
シアワセいっぱいな顔をしてグラウンドへ!
午後、ちょっぴりだけどお日さまが見えた・・・。
♪チュッチュルル〜♪のメロディは似合わぬ野球の日だ・・・。
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「僕、野球ヲ習イタイノ・・・。」
息子が選んだスポーツが野球だった・・・。
それを僕は誇らしく思う・・・。
なぜなら野球はね、団体競技だからだ・・・。
素晴らしい友が増える・・・。
そう、増え続けている・・・。
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野球の神様を信じてごらん・・・。
全ての野球少年たちよ。
野球の神様の前でね、ずっと真っ直ぐでいてごらん・・・。
不思議がたくさん訪れるよ・・・。