ひのえうマン。（西武ドームの巻）

う〜む・・・。
どこかのオジサンの頭をな、レオくんが撫でている・・・。
ナデナデ・ナデナデ・ナタデココ・イイコ・イイコって感じで・・・。
やさしいヤツだなぁ・・・、レオくんってさ・・・。
ご存知、レオくんはね、埼玉西武ライオンズのマスコット、きりっとしたイケメンライオンだ・・・。
しかし、・・・レオくんはやさしい・・・。
ウスバカゲロウっぽくなり始めているオジサンの髪を気遣い、頭の上に置いた手を左右だけに動かしている。
前後には動かさないんだ・・・。
だって、抜けちゃったら大変・・・。

オジサンはシアワセそうに笑ってる・・・。
とってもイイ顔で笑ってる・・・。
やっぱり野球はね、誰だってシアワセにしてくれるんだよ・・・。

♪テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボールゲーム♪ってさ、
耳を澄ませば聴こえてくるような気がするぞ・・・。

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え？
あっ、そうそう・・・。
ハヤトと僕は今、西武ドームにいる・・・。

緑の中を吹きぬけた風が、スタジアムにもやって来る・・・。
今年の最高気温を記録した今日、その風がとても心地良い・・・。
風を僕は深呼吸する・・・。
夏の訪れをきざしている、この風もまさに野球の風だ・・・。

ライオンズの応援団・・・。
スワローズの応援団・・・。
みんなみんな野球の風に吹かれている・・・。
みんなみんな野球の空気を深呼吸している・・・。

みんなみんな大きな声で声援を送っている・・・。

みんなみんなイイ笑顔をしている・・・。
みんなみんな野球でシアワセになる・・・。

わっはっは！楽しいね・・・。

カキーン！

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ハヤトの解説付きでナイター観戦・・・。

「すごいなぁ・・・、すごいなぁ・・・。
　なんだかワクワクするよね・・・。」って、ハヤトは僕に言う・・・。

そうかそうか、それなら来た甲斐があったってものだ・・・。

でもね、いつも父ちゃんはさ、君たちの野球でもワクワクさせてもらってる・・・。
どこで嗅いでも野球の風は、いつも同じ匂いがするぜ・・・。

君が大人になってもな、来ような・・・。
父ちゃんと野球を見に行こうな・・・。

父ちゃんはシアワセ者だ・・・。

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７回のウラ、ウラウララ〜。

僕らの周りのみんなみんな、ジェット風船を膨らましている・・・。
老若男女＆善男善女、みんなみんな・・・。

ジェット風船を膨らましている・・・。
頬の付け根が痛そうだ・・・。

ハヤトよ、
シアワセなジェット風船とな、そうじゃないジェット風船があるのを知ってるか？

「え？何の事？」

父ちゃんはな、いつもこの光景を見る度に思うんだよ・・・。
もしも自分がな、ジェット風船に生まれ変わっちゃったらどうしよう？って。

「え？」

ジェット風船に生まれ変わっちゃったらな、
綺麗なお姉さんに膨らましてもらいたい・・・。
オジサンに膨らまされるのだけは嫌だ・・・。

そんな事を考えたりしないか？
あと、自転車のサドルとかな・・・。

「・・・。普通、ありえないでしょ・・・。」

そうか、まだまだ子供だな、オマエってヤツは・・・。
修行が足りないんじゃないか？

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ピュ〜ッ！
ピュ〜ッ！
ヒュルルルル〜。

ジェット風船が舞う・・・。

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・・・今日もシアワセだ・・・。