その頃の僕だって。
黒目川を挟み、ちょうど我が家からはハス向かいに見える東久留米総合高校からね、
今日は元気いっぱいの歓声が聞こえてきた・・・。
先週末の雨で順延になっていた体育祭が行なわれている模様・・・。
ワーワー!キャーキャー!
それから、現在流行している軽快な曲のメロディー・・・。
学校の近くに住んでいて良かったなぁ・・・って思うのは、今日みたいな日・・・。
聞こえてくる体育祭の歓声に想いを寄せる時に僕は、シアワセのおすそ分けを貰っているような気持ちになる。
ワーワー!
キャーキャー!
楽しみなさい・・・。
今、君らはね、人生を四季にたとえるのならばきっと、春を生きている・・・。
謳歌しなさい・・・。
間違いなく今、君らの全てはキラキラと輝いている・・・。
苦しみや悲しみ。
世の不条理に気付き始めつつある日々なのだろうけれど・・・。
ワーワー!
キャーキャー!
弾けるような君らの歓声は春・・・。
でもね、なぜだか盛夏を唄う蝉たちのような声にさえ聞こえる・・・。
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恋をしていたり、きっと道を探しあぐねて立ち止まっていたり、
友達を傷つけて、そしてそれ以上に自分が傷ついていることに気付かなかったり、
いろいろある・・・。
そうさ、いろいろあるだろう?
でもね、それでいいんだよ・・・。
そうさ、誰だってそんな道を歩んで来たんだ・・・。
ワーワー!
キャーキャー!
その歓声の明るさに救われながら僕はね、君らに言う・・・。
今、たくさんたくさん傷つきなさい・・・。
今、たくさんたくさん傷つけなさい・・・。
それでいい・・・。
それだけを僕は、君に言ってあげることが出来る・・・。
ワーワー!
キャーキャー!
君らの歓声が届く・・・。
僕に届く・・・。
青春ってね、青い春と書くのだけれど、
その眩さは盛夏の太陽に似ている・・・。
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僕の娘と同じ彼ら・・・。
高校生の彼ら・・・。
たくさんたくさん傷つけて傷つきなさい・・・。
その傷ならばね、明くる朝には癒えてしまうものだ・・・。
でもね、それは、傷つけることの恐ろしさを知る痛みなんだよ・・・。
そんな痛みを覚えなさい・・・。
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ワーワー!
キャーキャー!
・・・輝き続けなさい・・・。
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僕も、君らと同じ日々を生きた・・・。
だから君らが愛しい・・・。
ワーワー!
キャーキャー!
君らの歓声が聞こえることが嬉しい・・・。
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人生ってね、悪くない・・・。
人はみんな、シアワセになるために生まれてきた・・・。
それだけは信じていておくれよ・・・。
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世は不条理に満ち溢れている・・・。
でもね、シアワセになるための道を模索し続けよう・・・。
ワーワー!
キャーキャー!
体育祭の君らの声を聞きながら思った・・・。