てくてく・てくてく

僕の朝の定番だ・・・。
コンビニまで歩く・・・。
てくてくとアルキメデスするのにはちょうどよい距離で助かる・・・。
缶コーヒーとタバコとスポーツ新聞・・・。
これで僕の朝は始まる・・・。
缶コーヒーは微糖、タバコはハイライト、スポーツ新聞はスポニチ・・・。
とても上質なコラムが載っていてね、それを読んでジ〜ンとしながら朝の気分を引き締める・・・。


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ふと、コンビニの店内を見渡して気付く・・・。
商品の数が少なくなっているんだ・・・。
ガランとした空白の雰囲気がする・・・。


聞けば今月の半ばで閉店するのだと言う・・・。


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とても寂しい気持ちだ・・・。
おじさんもおばさんも親切だったのにな・・・。


長い間、ごくろうさまでした・・・。
お世話になりました・・・。


「はーい、ハイライトだよね。」って、言ってもらえるのは結構うれしかったりした・・・。
客の顔と銘柄を憶えてくれているなんてね、ここはコンビニなのだけれど、
昔のタバコ屋さんみたいな何かがあった・・・。


なんだか井上順さんの歌、「お世話になりました。」みたいだ・・・。


おじさん、おばさん、
長い間、ごくろうさまでした・・・。


お世話になりました・・・。


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閉店する最後の日まで、僕は通おうと決めた・・・。


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このコンビニの並びにあったフルサービスのガソリンスタンドが、しばらく前に閉店をした・・・。
そのガソリンスタンドの跡地に、最大手のコンビニが開店するのだそうだ・・・。


人は変わり、街も変わる・・・。


でもね、効率だけで計られる「何か」は悲しい・・・。


もしかしたら、さ、
不便のように感じてしまう「何か」の方が大切なのかもしれないよ・・・。


僕たちは今、その「何か」たちについて真剣に考えるべき時に来ているのかもしれない・・・。


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てくてく・てくてく
てくてく・てくてく