かける。

かける。


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「この一球に、かける夏」


第90回・全国高校野球選手権記念大会のテーマだ・・・。


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おお、なんと素晴らしい「言葉」の在りかたであろう・・・。


奔放に躍動する「言葉」の息吹を、僕は、久しぶりに聴く・・・。


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「この一球に、かける夏」


たった一行だけの「言葉」なのだけれど、これは、まさしく詩だ・・・。


詩、そのものである・・・。


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「この一球に、かける夏」


「かける」・・・。


さて、「かける」を漢字で表してみるとしよう・・・。


駆ける・・・夏。
賭ける・・・夏。
翔ける・・・夏。


それらの漢字は、それぞれが見事なまでに当てはまる・・・。


たった一行の詩の中に見えるだろう、
たった一行の詩の中に聞こえるだろう、


ありったけの夏・・・。


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「この一球に、かける夏」


「かける」・・・。
漢字だけではなく、たとえばそこに、掛け算の×を入れてみてもいい。


渾身の一球に、夏を掛けてみるのだ・・・。
(渾身の一球×夏=)
その数式の答えを考えるだけでワクワクする・・・。


無限大の夏・・・。


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「この一球に、かける夏」


命漲る「言葉」を持った、たった一行の美しい詩。


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もはや、甲子園は始まっているのだ。


きっと、予選などではない・・・。


全国津々浦々に、甲子園はあるのだ・・・。


すべての高校球児よ、今・・・、
そうだよ、今、君が立つ場所そのもの全てが甲子園なのだ・・・。


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今、君は、夏をかけているのだ・・・。


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かけろ。