約束のボール再び。
昨日、整列した3年生たちは、僕ら父母たちとの握手を終えた後、
つづいてコーチの皆さんとも握手をした・・・。
本当に本当にありがたかったんだ・・・。
野球に魅せられた少年たちを、心から受け止めてくれていたんだよ・・・。
その時に古川コーチから、ハヤトはまたボールを頂いた・・・。
ハヤトは泣いていてグジャグジャな顔だったけれど、
たしかに頷いていたからきっと、
何か言葉を古川コーチは贈ってくれていたであろうに違いない・・・。
「勇気」と「元気」をいっぱい込めて、手渡してくれた新しい約束のボールだ・・・。
宝物のファーストミットに包み、枕元に置いてあるのを今日、僕は見つけた・・・。
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初めて清瀬第2グラウンドを訪れた小学6年生の秋、
まだ学童チームのユニホームを着て、グローブが入ったリュックサックを背負っていたハヤトに、
若い古川コーチはボールを一つ渡して言ってくれた・・・。
「約束しよう・・・。
ポニーにおいでね、待っているよ・・・。
一緒に野球をしよう・・・。」
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この若いコーチも息子も、お互いに約束を守り抜いたのだと思う・・・。
一緒にカキーン!な時間を過ごす事が出来たのだから・・・。
この二年半、公私にわたり、本当に面倒を見て下さった・・・。
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5年後、10年後、
この若いコーチと息子の姿が僕はとても楽しみだったりする・・・。
ちょびっと年齢の離れた兄弟のような付き合いになるんだろうな・・・。
いつの日か、そう、
親になんて言えない相談事にも乗ってもらえるような兄貴になってくれるんだろうな・・・。
だ〜い好きな野球の時間を一緒に過ごしてきたんだもんな・・・。
同じ汗を一緒に流してきたんだものな・・・。
そして昨日、握手をしながらさ、同じ涙を流していたんだものな・・・。
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あの6年生だった日の約束のボールは、
今もなお、ハヤトの宝物になっている・・・。
時々見かけるんだ・・・。
ベッドに横になり、じ〜っとボールを見つめている姿を・・・。
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そうだよ、ハヤトよ、
君の本当の野球はね、そのボールを頂いた瞬間から始まっていたんだぜ・・・。
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この若い古川コーチは今も、
大きな声を出して元気な1年生の選手たちに檄をとばしながらね、一緒にいる・・・。
きっと毎年毎年・・・、
ちょびっと年齢の離れた、放っておけない弟たちが増えるんだろうな・・・。
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先輩コーチだ・・・。