自転車に乗って行こう。
小さな小さな女の子・・・。
小学校に入ったばかりみたいな女の子・・・。
そして、僕よりもず〜っと若いお父さん・・・。
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日曜日の朝、
お父さんと女の子は、ね、
自転車に乗る練習をしていた・・・。
小さな女の子の、小さな自転車・・・。
お日さまみたいなオレンジ色の自転車・・・。
補助輪を外したばかり、
フラフラと、ユラユラと、危なげな自転車・・・。
小さな女の子の真剣な表情。
若いお父さんの笑顔。
お父さんはね、小さな自転車の荷台に手を添えて持ち、
小さな女の子と一緒に走っていた・・・。
日曜日の朝、
黒目川沿いの遊歩道の朝。
小さな女の子とさ、若いお父さんの様子・・・。
とてもとてもシアワセな光景に思えた・・・。
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僕は、犬のタロウを膝に抱き、
ベンチに腰掛けて、その姿を見ていた・・・。
小さな女の子の、お日さま色をした自転車が、ね、
しっかりと飛び立つように走れますように・・・。
がんばれ、がんばれ・・・。
そう祈りながらずっとずっと、僕は見ていた・・・。
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ツバメが舞う・・・。
巣に向けて、幾度も幾度も餌を運ぶ・・・。
その姿があまりにも健気で、時折僕は、胸を詰まらせる・・・。
あのね、
お日さま色の自転車の荷台を持つ若いお父さんの笑顔が、
あまりにもツバメに似ていて・・・、
僕の胸は詰まりそうになる・・・。
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小さな女の子の、
ペダルを漕ごうとする、まだあまりにも細い足に、
僕は、なぜだか涙が溢れそうになり戸惑う・・・。
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いいんだよ・・・。
いいんだよ・・・。
まだ君は小さいんだもの、
ゆっくりゆっくり大きくなればいいんだよ・・・。
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小さな女の子、と、
とても若いお父さん・・・。
シアワセでしょ?・・・今・・・。
小さな女の子の細い足が必死になって、
ペダルを漕ごうとしている・・・。
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フラフラフラ・・・。
ユラユラユラ・・・。
お日さま色の自転車・・・。
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巣立つ前。
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シアワセについて、
今週は、ね、いくつかの出来事を記述したいと思う・・・。