究極の味噌ラ〜メン。

びぃえっきし!で、目覚める・・・。
え?びぃえっきし!って何ですか?って?
うむ、それはだな、早い話がクシャミでござる・・・。
びっ、びっ、びぃえっきし!ってな具合で鼻が噴火する・・・。
否、噴火ではないわな、どちらかってぇと、噴水か、あるいは噴霧とも言えよう・・・。
不惑を迎えた頃から、クシャミの音が大きくなったような気がする・・・。
びっ、びっ、びぃえっきし!と・・・。
しかも、である。
びぃえっきし!の後、自然に、うぃ〜って言葉まで出るようになった・・・。
びぃえっきし!・・・うい〜っ・・・。
前置きが長くなって恐縮だが、つまり、僕は今朝、クシャミをして目覚めたんだよ・・・。
それほど寒い朝だった・・・。
そろそろパンツ一丁で寝るのも限界かもしれない・・・。


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お日さまは元気よく下界を照らしていたのだけれど、最高気温は上がらなかった・・・。
こんな寒い日の昼食はラ〜メンに限る。
小さな写真で恐縮だが、これが僕の特製味噌ラ〜メンだ。

残念ながら麺こそ市販の物を使用しているが、スープは僕のオリジナルだ。
以前からの「白」味噌ベースに続き、ついに「赤」味噌ベースのスープも完成に至ったのだ。
野菜のダシの旨味を存分に活かした究極のスープだと僕は胸を張る。
まさしく手前味噌では、ある・・・。
スープを温め、手早くフライパンで具を炒め、バシッ!バシッ!っと麺を湯切りしている時に僕は、
進むべき進路を誤ってしまっているんじゃないだろうかと、ふと思ったりする・・・。
中華料理の道に進んでいれば僕は、もしかしたら大成していたかもしれない・・・。
今年のクリスマスに僕は、テフロン加工じゃなく、鉄のフライパンをサンタさんにお願いするつもりだ・・・。


バシッ!バシッ!
手ザルの中で勢いよく麺を回転させて湯を切る。
この瞬間に僕は、ラ〜メンに魂を吹き込む・・・。


へいお待ち!
究極の「赤」味噌ラ〜メン!二丁上がりっ!


今日のお客さんはハヤトだ・・・。


いよいよ学校は試験期間に入った・・・。
お昼には帰って来るんだよ。
けれど一人分も二人分も同じ・・・。
我が究極の「赤」味噌ラ〜メンに寸分の隙無し!なり!


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ズズ・・・ズズズ・・・。
ズズ・・・ズズズ・・・。
暖かいラ〜メンを食べる音・・・。
ズズ・・・ズズズ・・・。


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試験の出来はどうだった?ってね、
聞いてみたくなるのだけれど、・・・聞かない・・・。
僕は、ただ、ラ〜メンを昼に作り、セガレに食べさせるだけの親父だ・・・。
僕の心ならばすべて、このラ〜メンに託してある・・・。


ズズ・・・ズズズ・・・。
どうだ?美味いか?ハヤトよ。
ズズ・・・ズズズ・・・。


美味いか?美味いだろ?
美味いって言え!
何か言いやがれ!


ズズ・・・ズズズ・・・。


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「父さん!ごちそうさま!」


おうっ、その一言だけでいい・・・。
そこに料理人の甲斐あり!


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明日はチャーハンをこしらえてやろう・・・。


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勉強&野球・・・。
中学3年生の11月・・・。


人間ってね、本当はあんまり強い生き物じゃない。


だから自分の本当の弱さを恥じる必要なんてない。


ただ、がんばればいい・・・。
自分に出来る精一杯の範囲でがんばればいい・・・。


それだけでいいんだよ・・・。


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14歳の頃の僕を思えば、
14歳の君や、14歳の君の仲間たちは皆、・・・立派だよ・・・。


元気に生き抜こうとする姿だけでいい・・・。


あんまり無理はしなさんな・・・。