カキーン曜日・・・。
バッセンを出た所でいつも、僕ら親子は別行動になる。
僕はそのまんま車で帰途につき、ハヤトは川沿いの遊歩道を走ってカエルくん。


よ〜い、どん!でスタート。


距離にすれば遊歩道は最短だ。
車は遠回りの上に、踏み切りまであるので、ほぼ競争するにはフェアーかと思う。


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最近ずっと、僕が勝っていた・・・。
車を仕舞っていると、ゼエゼエ、ハアハアの様子でハヤト到着な日々が続いていた。


わっはっは!タルんどる・・・。
タルんどるぞ!ハヤトよ・・・。
父ちゃんの勝ち!って、ね・・・。


ところが今日、久しぶりにハヤトが先に着いていた。
家の前で胸を張り、ニヤッと勝利の笑みを浮かべて僕を待っていた・・・。


この悔しさは何?


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毎日ずっと、1人で走っていたし、素振りも続けていたけれど、
やっぱり違うんだね・・・。
どこか何かが違うんだよね・・・。
週末毎にポニーの練習に合流して、打って走ると違うんだね・・・。


それは何故だろう?って、僕は考えた・・・。


もちろん、清瀬ポニーのトレーニングの効率の良さや、内容の厳しさもある。
だが、グラウンドで仲間たちや後輩たちと共に過ごす時間こそ有意義な物なのではないかと僕は思う。


身体が冴える。
少しずつ、鈍っていた身体に冴えが戻る。


野球というスポーツの本質はチームプレーにある。
その「実」を僕は、あらためて見るような気がする。


カキーン!の音と仲間たちの声が聞こえる場所。
そこでこそ過ごす時間の尊さ。


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「明日もポニーの冬トレへ行くよ。」


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来るべき物語の第3章に向けて、
心の羅針盤はずっと先を真っ直ぐに指し示していてほしいと願う・・・。


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ヨーソロー!