タイムショック!
キャッチャーからの返球を受け取る。
チラッと塁上のランナーを目で牽制する。
キャッチャーからの一つ目のサインに首を振り、
二つ目のサインをマウンド上から覗き込んだ時点で、ブッブ〜。
タイムアウト!な15秒が経過・・・。
主審は「ボール!」と告げる。
これが噂の、「15秒ルール」・・・。
真剣勝負の絶妙な間合いも、
焦らし、焦らされる駆け引きも、
観客が息を飲み、手に汗握る場面も、
もしかしたらね、プロ野球から失くなってしまうんじゃないだろうかと、ちょびっと心配。
ホイホイホイってさ、短い試合ばっかりになっちゃったら大変・・・。
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年に数度だけなのだけれど僕も、プロ野球を観戦に行く。
たぶん、僕だけじゃない、日本中で多くのファンがプロ野球を観戦に行く。
まさに、それは、観戦列島だと言ってもいいだろう・・・。
せっかく観に行くプロ野球の試合なんだもんな、
見応えのある試合をいつも期待している・・・。
せっかく野球ってさ、時間に縛られない競技なんだからさ、
無理に試合時間の短縮を図ろうとする風潮に僕は反対する・・・。
さんせいのはんたい!
投手に枷を課せる「15秒ルール」よりも、
「攻守交替全力疾走ルール」ってのは、どうだろう?
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15秒は短い。
カップラーメンだって3分だ。
カップラーメンに熱湯を入れて、15秒でフタを開けてみな。
硬いぞ・・・。
たぶん、美味しくないだろう。
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それは、僕が結婚する少し前の事だ。
ものすごく短い試合を観た・・・。
当時、結婚を前提として交際中だったカミさんに嘘をついて、僕は1人で出掛けた・・・。
神宮球場。
ヤクルト対巨人。
ヤクルトの川崎投手が凄かった。
1対0でヤクルトの勝ち・・・。
試合終了時刻は、そう、午後7時半を少しだけ過ぎていた位だったと記憶している。
しかも、だ・・・。
その1点はホームランの1点で、
そのホームランが出た時、僕はトイレに行っていて、見逃してしまったのだ。
何のために僕は、電車に乗って神宮まで行ったのだろう?
僕は心の中で自問自答した・・・。
神様は誰にでも平等に、24時間ずつを毎日与えて下さっている。
考えてみてほしい・・・。
24時間の中で、トイレに費やす時間って僅かだろう・・・。
だが、その僅かな時間に僕は、せっかく観に行った試合の一番いいトコを見逃してしまったのだ。
たぶん、罰だ・・・。
彼女に嘘をついた罰なのだと僕は思った・・・。
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ちなみに、成人男子が小用に要する時間の平均が15秒である。
但し、コーヒーやビールなど、利尿作用のある飲料を摂取していない場合、だ。
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「15秒ルール」
あなたはどう思う?
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ちょっと聞きたいっ!