時々思い出しては見つめる写真がある。

あまりにもプライベートな写真なので、残念ながらお見せする事が出来ないのだけれど・・・。


僕がとても気に入っている一枚だ・・・。
思い出のフォトグラフってヤツだな・・・、うんうん。


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これは十数年前の写真で、今より少しだけ若いカミさんが自転車に跨っている。
自転車の後部荷台に取り付けたイスに娘が乗っていて、
前カゴの後ろに取り付けたイスにハヤトが乗っている。
子供らのちっちゃかった頃の様子がおかしくて笑ってしまう・・・。


一台の自転車に三人乗りだ・・・。
そして、三人が僕の構えるカメラを見つめている・・・。


今よりも少しだけ若かった僕は、
なぜだかシアワセに満たされたような気持ちで笑いながらシャッターを押した。
はい、チーズ!って・・・。
その日の事を今でも、そうさ、ハッキリと憶えている・・・。


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この三人が僕の宝物だと、
この三人が僕の家族なのだと、
この三人が地上に存在してくれていて良かったなぁ〜と、


今までも、これからも、僕は思い続けて生きるのだろうな・・・。


たぶん、それが親父というものだ・・・。


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写真の中のカミさんは子育てが一番大変だった頃で、
TシャツにGパン姿で、化粧する余裕すら無かっただろうけれど、
弾けるような笑顔をしている・・・。


イイ笑顔だと僕は思う。


この頃も今も、
大変な状況に何一つ変化は無いのだけれど、
振り返り思い出してみれば楽しい・・・。
シアワセだ・・・。


今、この瞬間だってね、きっとそうだ・・・。
あと十数年して振り返ったなら、
楽しかったと思い出せるはずだ・・・。


シアワセだと言えるような日々を過ごそう・・・。


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僅かだけれど色が変わりつつある一枚の写真を、
僕は机の引き出しの中に戻した・・・。