プレイボール!

昨日の練習が終わった夕刻、野球部のグラウンドに併設されたクラブハウス2Fに於いて、
いよいよ春の大会初陣に備えた全体ミーティングが行なわれたのだそうだ・・・。
徹底的にデータを分析して、対戦校のスコアを見ながら議論しあう先輩たちの姿に、
息子はとても感動したと言う・・・。


「やっぱり立ち上がりをしっかりと攻めよう。」
「甘い球は積極的に打っていこう。」


スコアを見ながら考えた事、感じた事、
そして全員で意見を出し合う・・・。
それが真剣勝負の高校野球の世界なのだそうだ・・・。


おそらく、1年生たちは、ね、
その様子を隅っこの隅っこでち〜っちゃくなって見つめていただけなのだろうけれど、
きっと、みんな目はキラキラと輝いていたに違いない・・・。


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昨年の夏、ずっと息子が東京MXテレビで見続けた、
この高校の熱い闘いは、目に見えぬこんな研鑽の積み重ねであったのだ。
それを今、息子自身がしっかりと感じていてくれれば良いと僕は思う・・・。


そしてこの、あこがれの高校の野球部の一員となったのだ。
すごい先輩たちの一挙手一投足から学んでほしいものだ。
熱い心を吸収してほしいものだ・・・。


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帰宅後、夜、
僕がライトの角度を変えて照らし出した明かりの中で息子は素振りをする。
そして僕が呼ばれて布ボールを投げる。
相変わらずの毎日が僕は嬉しいしシアワセだ。


この練習に意味があるのかどうかは分らないけれど、
この練習には目標がある・・・。
だからそれでいいんじゃないだろうか・・・。


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一夜明けて今朝、
息子は新しい1年生の仲間たちと共に球場へ向かった・・・。
グラウンドで闘う先輩たちを応援するために・・・。
その素晴らしいチームの一員としてスタンドに立つ・・・。


メガホンを持て!
メガホンを叩け!
先輩の名前を叫べ!
母校の勝利に奮える感激を知れ!


高校野球が始まったのだ。


がんばれがんばれ!
日本中の、
汗ぐっしょりの球児たちよ!


わっはっは!
カキーン!だ!


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帰宅後の、瞳キラキラと潤んだ息子に聞く・・・。
どうだった?試合?


「勝ったよ!勝った!」


応援の様子はどうだった?


「スゴイよ!学校の普通の人たちもたくさん来ていた・・・。
 それから、ブラバンチアリーダーも来ていた・・・。」


そうか、そうか・・・。
でも、ね、君たち野球部の人だってさ、
学校の普通の人さ。


学校でもたくさんのトモダチが出来ればいいよな。