ダンデライオン。
我が家の前に立つ電柱の根元の、僅か数センチほどのアスファルトの隙間に咲いたタンポポ。
散らばった布ボールを息子と一緒に拾いながらいつも僕は、このタンポポを見ていた・・・。
暖かな黄色い花は、こうして真っ白な綿毛になった・・・。
僕は、タンポポが好きだ。
この花が持つ暖かさや、明るさや、何よりも強さが好きだ。
もう少しで風が吹く。
ふわりふわりと風に乗って、
タンポポの子供たちは出発する。
物言わぬ花の、
それでも確かなその声を、
心の耳を傾けて、
しっかりと聞き続けていたいものだ・・・。
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生命とは見事。
暖かくて明るくて、そして強いものなのだ。
綿毛がすっかりと飛んで行ってしまった後のタンポポにさえ僕は今、
きっと美しさを感じられるのではないだろうかと思う。