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魂は煙になり、たなびき、
そして透明な空に溶け込んでいった。
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ずっとずっと僕よりも若かった友人の訃報に触れ、
こうして透明な空をじっと見つめていると、
胸の奥から迸る慟哭の感情を抑える事が出来ない・・・。
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生・老・病・死・・・。
人が生きる上に於いて、それらはすべて苦なのだという・・・。
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死は怖いものだ・・・。
死は恐ろしいものだ・・・。
僕だって死は怖い・・・。
死について考えてみた・・・。
なぜに死が恐ろしいのか?
そう語りながらふと思うのだけれど、
自分が死ぬ事に対しての恐怖は、ね、
それほど大きな事ではないような気がする・・・。
身近な者たちの・・・、
慈しい者たちの・・・、
その死が怖いのだ・・・。
二度と会えなくなってしまう寂しさが怖いのだ。
二度と声が聞こえぬ淋しさが恐ろしいのだ。
取り残されてうろたえる自分の恥ずかしさがきっと怖いのだ。
決してそれを、結論などと述べるつもりは毛頭ないけれど・・・。
1日に100人の人が命を絶つ。
今、1日に100人の人が自ら命を絶つ。
その悲しさや恐ろしさに僕は震える・・・。
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魂は煙になり、たなびき、
そして透明な空に溶けていった・・・。
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