ひとりだけ中年。

ちょこっと離れたスーパーまでカミさんと買い物に出掛ける・・・。
そのスーパーの近くに大きな格安理髪店を見つけ、僕は散髪をする事になった・・・。
カミさんは買い物・・・。
僕は散髪・・・。
わっはっは、なんだか昔話の冒頭みたいだ・・・。
おばあさんは川に洗濯へ・・・。
カミさんは品物を選択して買いに・・・。
おじいさんは山に芝刈りに・・・。
僕は床屋さんでスポーツ刈りに・・・。


桃は流れて来ないかな?


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この床屋さん、チビッコのお客さんが多い・・・。
僕以外は全員チビッコだった・・・。


♪ぼっ、ぼっ、ぼくらは少年探偵団〜
 ひとりだけ中年〜♪
って、歌と同じシチュエーションだ・・・。


ちなみに、この歌は、僕が子供の頃に全国的に大流行した替え歌だ・・・。


♪ぼっ、ぼっ、ぼくらは中年探偵団〜 
 ひとりだけ老人〜♪
に、なるまで延々と続く不思議な歌だったが流行った・・・。


チョキチョキ・チョキチョキ・・・。
床屋さんでチョキチョキされながら僕は、そんな事を考えていた・・・。


僕の右隣のチビッコも、
僕の左隣のチビッコも、
とってもとっても行儀良い・・・。


チョキチョキ・チョキチョキ・・・、
よろしい・・・。


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床屋さんにチビッコは来店する時、母親と一緒に来る。
母親は床屋さんに希望の髪型を告げチビッコを預け、そのままスーパーへ買い物に行く・・・。
たいへん効率の良い、すぐれたシステムだと言えよう・・・。


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散髪を終え、母親が迎えに来るのを待つチビッコが座る場所・・・。
買い物を終え、チビッコの散髪が終わるのを待つ母親が座る場所・・・。
店内の待合スペースも自然と分かれていて、
賑やかながらも整然としていた・・・。


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チョキチョキ・チョキチョキ・・・。
僕も散髪を終える・・・。


レジでお金を払い、飴を貰う・・・。
ちょびっと複雑な心境だったのだが、ポッケにしまう・・・。


その時に気付く・・・。


チビッコの散髪が終わるのを待つ母親たちの中に、
買い物を終えたカミさんがいた・・・。


「いい子にしてましたね〜。」と、笑っていた・・・。


マジでちょびっと複雑・・・。