初セミ。

今日、今年初めてセミの声を聞いた・・・。
夏はきっと、もうすぐだ・・・。


梅雨の重たい雲を破り、時折お日さまも見えた・・・。
もうちょっとだ・・・、
もうちょっとで夏だよ・・・。


悲しい事があったり、
心弾む事があったり、
目まぐるしくそれが繰り返されていて、
その都度人は、一喜一憂するのだけれど、
どうだい?
耳を澄ましたり、目を凝らしたりするだけで、ね、
より深遠な何かに気付かされるんだ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


犬を肩に乗せて僕は、
遊歩道の芝生の広場で、
広場にゴロンと置かれている大きな岩を見つめる・・・。
ただじっと見つめる・・・。


岩をじっと見つめながらセミの声を聞く。
ある有名な俳句を思い出しながら・・・。


う〜む、
静けさや、岩にしみ入るセミの声・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


セミが唄う夏・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ところで、バイ・ザ・ウエ〜・・・。


セミってさ、儚い命だとよく言うでしょ?


7年も土の中にいて、ようやく成虫になって地上に現れ、
歌を唄い、たった1週間ちょっとで死んでしまうんだもの・・・。


でも、な、
今日僕は、ふと思ったんだよ、
セミにとったら、ね、
地上での1週間だけが尊いんじゃないって事を・・・。


地中で暮らす7年間こそ、
もしかしたらセミの人生(虫生って言うべきか)の本質なのではないだろうか?と。


そう考えたらな、
生きる事を存分に味わった者だけが唄える歌に聞こえるから不思議だ。
え?そうそう、セミの声が、さ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


むっしっしな生き方を虫から学ぶ・・・。
むっしっし、むっしっし・・・。


むっしっしな虫は、セミだけじゃない。
蚊だってそうだ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ボウフラも、蚊になるまでの浮き沈み。


そうさ、
生きている今を味わおう。


ドーンと構えて、さ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


43歳。


大きな蚊になってやろう!
いつか、きっと・・・。


そして、誰かの耳元を飛んでやろう・・・。


プイ〜ン、プイ〜ンってうるさく・・・。


ほ〜れほ〜れ!
プイ〜ン!プイ〜ン!だっ、わっはっは!


「うるさいっ!」
そんでもってパチン!


・・・痛え!


な〜んて事になっちゃったりするかもしれないけれど・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日、今年初めてセミの声を聞いた・・・。