夏、神戸にある甲子園に向けての地方大会が真っ盛りだ・・・。
そう、あくまでもな、神戸にある甲子園に向けての、だ・・・。


今、日本中で、
とっても尊い汗や、煌く涙が流れている・・・。


高校球児たちの、だ・・・。


今、日本中の、
予選が行われている地方球場がぜ〜んぶ甲子園になっているんだ・・・。


高校球児たちの汗や涙があるトコロ、
そこはぜ〜んぶ甲子園なんだよ・・・。


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僕は結構嘘つきで、
いい加減な親父なんだけれども、
これだけは真実だ。
・・・現実に今、野球を学んでいるすべての少年たちよ、
これだけは信じてくれていい・・・。


君のひたむきさや、
熱い想いこそ全てだ・・・。


それが野球だ・・・。


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心無いスポーツジャーナリストが、
ラジオで言っていた・・・。


「あっはっは、33対0ってゲームがありました・・・。
 何を考えて出場してるんでしょうねえ・・・。
 野球のスコアじゃないですよね〜。」


僕は、本当に久しぶりに腹が立った・・・。


コイツ、たぶん、自分のグローブを持ってない大人だと思うぜ・・・。
もしくは、手入れをしていなくってカビちゃってね、きっとママから、
「汚いから捨てなさい!」な〜んて言われてさ、
素直に捨てちゃったタイプの大人だと思うぜ・・・。


コイツにな、
ジャーナルされたらスポーツは泣くだろうな・・・。


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勝つ事が大切なんじゃない・・・。
克つ事が大切なんだ・・・。


ずっとずっと大切な事なんだ・・・。


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僕は、勝利至上主義を嫌悪する・・・。


たとえ33対0で負けたってな、
この夏に賭けた少年たちの想いは同じなはずだ!


笑うなんて失礼だ・・・。


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僕は、ソイツの背後に忍び寄り、しゃがみ、
両手の人差し指を伸ばし、合わせ、
渾身の力を込めてカンチョーしてやりたい・・・。


プスッとな・・・。